専門家が解説、牛乳が「ニキビの原因」になる理由
私(筆者)はその時の気分によってミルクを選ぶ。オシャレな気分のときはオーツミルク、糖分をカットしたい時はアーモンド。でも、中西部出身というルーツに正直になれば、コーヒーには昔ながらのいい牛乳を入れて飲むのが今でも好きだ。 だが先月、オーツミルクからスキムミルクに変えたところ、肌におかしなことが起こっていることに気づいた。鼻とその周囲が突然どういうわけか、ビーツのように赤くなったのだ。 【写真】知っておこう、肌に良くないドリンク、ワースト7 当然、私は乳製品摂取を増やしたことが原因ではないかと考えた。「牛乳は肌に悪い」という警句が「水を飲むのは肌にいい」ということと同じくらい言われているからだ。 興味深いことに、今回私はあながち間違ってはいなかったのだ。 「乳製品、特にスキムミルクが皮膚炎やニキビに関係していることはわかっています」と言うのは、マウント・サイナイ病院皮膚科准教授で美容・臨床リサーチのディレクター、ジョシュア・ツァイヒナー博士。 「スキムミルクには糖分が多いほか、皮脂腺を刺激するメッセンジャーを活性化する乳清タンパク質が含まれています。つまり、皮脂や炎症が増え、ニキビにつながるのです」
なぜ牛乳がニキビの原因になるのか?
乳清タンパク質(ホエイプロテイン)について極く簡単に説明しよう。スムージーに入れるために“まとめ買いするもの”という認識しかないかもしれないから。 Skin Wellness Dermatologyのコーリー・L・ハーマン博士は、「乳清タンパク質は、乳清から分離させたタンパク質の混合物で、チーズを作る時にミルクから凝固成分をとった後の液状の部分です」と説明。 そこからこのタンパク質はドミノ効果をもたらす。 「乳清は、インスリン様成長因子1(IGF―1)などインスリンの生成を増やします。インスリンは皮脂の生成を増やし、それがニキビの成長の一因になります。また皮脂を刺激し、ニキビの原因になる男性ホルモンのテストステロン生成の引き金になります」とハーマン博士。 Vibrant Dermatology とSkin Bar MDのCEOジョイス・イマヒエロボ博士も、「牛乳にはIGF―1に関わるもう一つのタンパク質であるカゼインと女性ホルモンのプロゲステロンが多く含まれています。それが人間の皮脂腺でニキビを刺激するホルモン、ジヒドロテストステロンに変換されるのです」と説明している。 それだけではない。Daily Harvestの栄養士エイミー・シャピーロは、「IGF-1ホルモンは血中にすでに存在しているが、rBGH(乳牛に対する遺伝子組み換え牛成長ホルモン)を投与されている牛はIGF-1値が高い傾向にある」と注意。 rBGHは、IGF-1分泌を刺激することによって牛乳の生成を促すからだ。「rBGH不使用」と宣伝している牛乳があるのはその理由である。