東京五輪、世論の8割が開催中止を求めるなか「無観客」開催を視野に。日本と中国だけの“運動会”になる可能性も
「ワクチン格差」が五輪にも
さらにワクチン問題もある。東京五輪への選手派遣を目指し、ハンガリーやセルビア、イスラエルなど優先的にワクチン接種を行っている国もある。 しかし、参加国の7割が途上国・新興国という状況を考えれば、国際社会で問題になっている「ワクチン格差」が五輪にも当てはまる。 「選手へのワクチン接種に関しては、先進国で奇妙な現象が起きています。独仏伊などでは高齢者や医療従事者を差し置いて選手に優先的に打つことが国民の反発を呼ぶとして、選手自身が辞退しています。先進国の選手はワクチンがあるのに接種せず、途上国の選手はワクチン不足で打てないという状態なのです」(前出の記者) 世界大会の相次ぐ中止やワクチン問題など、各国の状況を文末にまとめたが、無観客に加えて「無選手」となれば開催は不可能だろう。
来日の予定が決まらずホストタウンも大困惑
一方、海外から選手が来るのか否かはっきりしないなか、気をもんでいるのがホストタウンだ。 「来るという前提で調整しているが、いつ来るか未定です」(リトアニアの選手を受け入れる神奈川県平塚市・オリンピック・パラリンピック推進課) 「具体的な話は何もありません」(アメリカ、ボツワナ、ペルーの選手を受け入れる千葉県佐倉市・地域創生課) ルワンダの選手を受け入れる岩手県八幡市役所の担当者は言う。 「7月上旬からの直前合宿受け入れが決まっていますが、ルワンダは感染拡大でロックダウンになってしまった。出発前にワクチン接種をしてもらえれば多少、リスクが回避できると思いますがなかなか難しい。岩手も都会ではないので、選手がPCR検査をできる万全の体制をつくるのは難しい」 各地のホストタウンは、受け入れ準備・調整に加え、地元住民からは感染リスクを警戒する声もあり、対応に苦慮しているようだ。 果たして選手は日本に来るのか。東京五輪組織委員会に各国選手の来日予定について訪ねたが、期日までに回答はなかった。