中国が近く大規模軍事演習か、台湾や日本近海に艦船90隻 過去2回の演習を上回る規模と当局者
台湾当局は9日、中国艦船が周辺海域に集結しているとして警戒レベルを引き上げた。軍事演習を開始する可能性が高いとみられ、台湾の安全保障当局者によると、中国は現在、台湾近海、日本列島南部の近海、東シナ海、南シナ海の海域に海軍と沿岸警備隊の艦艇約90隻を派遣しているという。 台湾を自国領の一部だと主張する中国は、近く新たな軍事演習を行うのではないかとみられていた。安全保障当局者によると、台湾の頼清徳総統が太平洋島しょ国3カ国を歴訪中に経由地としてハワイと米領グアムに立ち寄ったことがその理由だとしている。 台湾の安全保障筋によると、今回展開されている規模は、今年2回行われた中国の軍事演習をはるかに上回るものだという。この安全保障筋は「中国が初めて列島全体を標的にしている」との見方を示した。列島とは日本から台湾、フィリピンを経て、ボルネオ島まで続き、中国の沿岸海域を囲む地域を指す。 中国国防省はコメント要請に直ちには応じなかった。 中国外務省の毛寧報道官は台湾の懸念を一蹴し、同島に対する中国の領有権を主張した。 中国外務省 毛寧報道官 「台湾問題は内政問題であり、中国は国家主権と領土保全を断固として守る」 台湾側は、台湾の将来を決めるのは台湾の人々だけだとして、中国の主権主張を拒否している。 来日したオースティン米国防長官は9日、横須賀基地で演説し、中国は「ルールに基づく国際秩序を変える意図を持ち、その能力も増大している世界で唯一の国」だと述べた。一方でオースティン氏は中国による攻撃が「差し迫っている、あるいは避けられない」とは思っていないと語った。