首都大学野球秋季リーグ戦、開幕週の結果と注目選手は!?【後編】
待ちに待った、首都大学野球秋季リーグ戦が開幕した。 2020年春、新型コロナウイルスの感染拡大により各大学は休校やオンライン授業を余儀なくされ、大学野球も全体練習のできない日々が続いた。首都大学野球リーグでは春季リーグ戦が中止となり、この秋季リーグ戦が今年初めての公式戦となる。 現在、首都1部に属するのは東海大学、武蔵大学、筑波大学、日本体育大学、帝京大学、桜美林大学だ。 通常は、6校の総当たりでそれぞれ2勝先勝した方に勝ち点が与えられる勝ち点制で行われるが、今秋は1戦総当たりの勝率制で行われる。各校、負けられない5試合を戦うためにどんな準備をしてきたのか。開幕週に行われた6試合を前編・後編に分け、各校ごとに振り返る。
昨秋は下級生中心のチームでリーグ2位、今季も変わらぬ戦力を持つ武蔵大学
昨秋はリーグ戦2位となり、明治神宮大会出場をかけて戦う横浜市長杯争奪関東地区大学野球選手権でも1勝を挙げた。投手、野手共に多くの下級生がメンバー入りしていたこともあり、今季も昨年とほとんど変わらない戦力で戦うことができるのは大きなメリットだ。昨年、1年生ながら4番に座ったのは松下豪佑(2年・佼成学園)だった。ホームランも打てるロマンたっぷりのバッターは、今季も4番に座る。 投手は、昨年に続き山内大輔(3年・東海大菅生)と島田海都(4年・川越東)のふたりが先発して投げられるところまで投げるようだ。山内はしゃべると声が小さくおとなしそうな印象を受けるが、投球は粘り強く、完投するスタミナもある。今回の日体大戦では足がつるアクシデントで途中降板となってしまったが、それでも「緊張しすぎた」という初回に3安打1死球で1点を失ったあとは安定したピッチングで、6回1/3を投げて5安打2四死球1失点という内容だった。 その日体大には1安打に抑えられ完封負けを喫してしまったが、第2戦の桜美林大戦では島田が投げ切り完封勝利を挙げた。山内と共に武蔵大の柱となっている島田だが、意外にも完投も完封も初めてだそうだ。すでに就職が決まり春からは営業職に就くとのことで、最後のシーズンで有終の美を飾った。もちろん、まだシーズンは続くので、このあとの投球も楽しみにしたい。 野手で印象に残ったのが、5番センターの土屋雄真(4年・上尾)だ。昨年の春にはベスト9にも選ばれ、打撃への期待は大きい。桜美林大戦で先制の2点適時二塁打を打ち、チームに今季初の得点をもたらした。「去年は単打が多かったけど、今年は長打を打てるようになりました」と、自粛期間中も個人練習に力を入れた。また、日体大戦ではダイビングキャッチで投手を救うなど、守備でも魅せた。 武蔵の野球はまだまだこんなものじゃない。爆発的な打線の繋がりを期待している。