マカオ、違法両替従事の中国人2人逮捕…取引相手に偽造ゲーミングチップ掴ませる
マカオ司法警察局は11月28日、違法両替に従事した上、偽造チップを取引相手に掴ませたとして中国人(中国本土居民)の男女2人を逮捕したと発表。 同月26日朝、コタイ地区にあるカジノ施設から、ディーラー職員がゲーミングテーブルでチップを計算している際に額面5万香港ドル(日本円換算:約96万円)のゲーミング(カジノ)チップ1枚に不審な点があることに気づき、鑑定の結果、偽造チップだったことがわかったとの通報が寄せられたとのこと。 通報を受けた同局が捜査を進めたところ、別のゲーミングテーブルでゲームに負けた客から回収した30万香港ドル(約578万円)の中からも偽造の額面5万香港ドルのチップ1枚が見つかり、同局がこの客に事情を聞いたところ、マカオ到着後に「換銭党」と呼ばれる違法両替商の男女2人との両替により入手した額面5万ドルのチップ2枚だったことが発覚。さらに、同日夜にも同じカジノ施設から、別の客が偽造の5万香港ドルのチップ1枚を使用したと通報があり、こちらも朝のケースと同じ違法両替商の男女2人が出所だったことが判明したという。 その後、同局が容疑者の男女2人の身元の特定に成功。27日正午頃、2人が上述のカジノ施設へ再入場した際に逮捕。2人は同局の調べに対し、違法両替に従事したことは認めたが、偽造チップへの関与は否認しているというが、捜査を通じて2人が今年(2024年)8月からマカオで違法両替に従事し、上述の2人の客と4回、別の客と2回にわたって合計80万香港ドル(約1542万円)の取引を行い、約8000香港ドル(約15万円)の利益を得ていたことがわかったことから、捜査で得られた情報を総合判断し、2人を詐欺(相当巨額)及び賭博目的違法両替罪で検察院送致するとした。 なお、同局の分析により、上述の3枚の偽造チップは前年発生した同種の事件で使われたものと同一だったことも明らかになったとのこと。 近年マカオでは換銭党がカジノ施設内外で暗躍し、暴力、詐欺、窃盗、密航などさまざまな事件を引き起こしてきたことから、犯罪の温床として社会的問題化。対策の一環として、換銭党による違法両替行為を刑事罰の対象とするマカオの新法「打擊不法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が前月(10月)29日に施行されたばかり。