韓国労組、大統領辞任求めスト警告-国会前の抗議集会を毎日実施へ
(ブルームバーグ): 韓国大企業の従業員を代表する労働組合が尹錫悦大統領の辞任を求め、ストライキを実施する構えを見せている。同大統領は7日に弾劾訴追案を辛くも切り抜けた。
こうした動きを見せているのは自動車工場や鉄道会社、公立学校、病院の労働者が所属する組合。韓国最大の労働組合の中央組織である韓国全国民主労働組合総連盟(KCTU)は、尹大統領に辞任を迫るため、120万人の組合員に「無期限」ストライキを呼び掛けた。KCTUは、国会の前でキャンドル集会を毎晩開く予定だ。
韓国の労組は、尹大統領の戒厳令の宣布・解除を受け、政治的混乱を最大限利用しようとする姿勢だ。尹氏に対する弾劾訴追案は7日に不成立となったものの、退陣を求める圧力は強い。
尹氏は2022年5月に大統領に就任して以来、労働者が物価上昇や成長鈍化にあえぐ中でも労働改革を優先事項としてきた。これを受け、労組は活動を活発化させてきた経緯がある。
ソウルに拠点を置く労働研究機関パイタッチ研究所のパク・ソンボク研究員は、「労働組合にとって絶好の機会だ」と指摘。「特にこの政治的混乱が長引けば、ストライキを行わなくても、ちらつかせるだけで以前よりも大きな声を上げられる。おそらく例年よりも強く賃上げを要求するだろう」と語った。
原題:South Korea Unions Threaten to Strike in Push to Remove Yoon(抜粋)
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Heejin Kim