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東海林さだお「ビールのつまみは枝豆に物申す」

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東洋経済オンライン

「丸かじり」シリーズなど、笑いと共感の食のエッセイの第一人者で、大のビール党である東海林さだお氏が、「ひとりで酒を飲むこと」についてひたすら考えた。今回は、東海林氏がどうしても枝豆をめぐる国民的合意について言いたいことを、『ひとり酒の時間 イイネ!』から抜粋して転載する。 この記事の写真を見る ■「ビールには枝豆は合わない」  「ビールには枝豆」 これは国民的合意であり、日本人であるかぎりナンピトもこの組み合わせに異をとなえることはできない。

 ビールと枝豆は、ほとんどセットとして考えられている。サンマに大根おろし、とろろ芋に麦めし、納豆に辛子、さつま芋におならなどと同様の、不動の組み合わせとして全国民的に受け入れられている。  サラリーマンが4、5人で居酒屋に入れば、  「とりあえずビール」  であり、 「とりあえず枝豆」  で宴はスタートする。   だがわたくしは今回、勇猛をふるってこの全国民的合意に異をとなえたい。「ビールに枝豆は合わない」  ああ、わたくしには全国民の非難の声が聞こえてくる。

「非国民!」 「国賊!」 「不逞(ふてい)の輩(やから)!」 「それを言っちゃあおしまいよ」  この発言によってわたくしは職を失い、地位を奪われ、妻子を捨て、石もて故郷を追われて貧窮にあえぐことになるのだ。  せっかくいままで「ビールには枝豆」ということでうまくやってきたではないか。いまさら何を言うのか。週刊誌はわたくしを糾弾し、テレビ局は走って逃げるわたくしを「一言おねがいします」と叫びつつ走って追いかけてくる。

 それでもわたくしは言う。 「ビールに枝豆は合わない」と。 ■濃厚、こってり、油っ気がつまみの基本  走って逃げつつ、わたくしは追いかけてくるテレビ局員のマイクに向かって叫ぶ。  「あのですね、ハアハア、ビールの本場ドイツではソーセージですよね、ハアハア、ギネスのイギリスはフィッシュ&チップス、バドワイザーのアメリカはピザ、もしくはフライドチキン、共通するものは何だと思います?  そうです。濃厚、こってり、油っ気。これがビールのつまみの基本です」

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