展示中止問題の後 「表現の不自由展」実行委が会見(全文2)報道の自由をも侵害
県と実行委は社会的責務を全うしたのか?
本展の企画意図は先ほど説明しましたが、不寛容さはこうした裾野の広がりも持っています。ほかには岡本光博のグラフィティ作品、こちらになりますけど、この作品は米軍機の墜落を表しています。商店街で行われる地域アートでこちらは問題視され、封印されました。一見して分かるように、これは批判ではありません。現実の姿を形にすること自体が否定されるんです。 今回の問題に関しては、パブリックフォーラムの法理というものを私たちは連想しました。公共空間や公共施設での言論の自由は、人身の安全が保証される限りにおいては最大限認められるべきというものです。この言論や表現の自由を守るに当たり、県側、あいちトリエンナーレ実行委員会は持てる力の総力を使ったのか、公共空間を運営するものとして社会的責務を全うしたのか、これに対して私たちは懐疑的です。 あと、もう1つ付け加えることあるんですが、先ほどの記者会見に出た方はお分かりだと思いますが、検証委員会というものが今、愛知で発動してまして、実際に関わった方々にヒアリングが行なわれています。そこで今まで答申された内容を見ますと、こちらの「表現の不自由展・その後」に対する作品の内容、つまり検閲に値するものがあるとこちらは見たので、大村知事に質問を投げ掛けています。そうしましたら知事より回答をいただきまして、検証の内容につきましては検証委員会の委員の先生方にお任せしております、とあります。ただ、こちらはどうも不十分に思いまして、再度この点を念押しして質問しましたが、いまだに回答は得られていないです。
今も検閲が私たちに行われていると感じる
それで実際その検証委員会の、今日、私たちはヒアリングを受けるんですが、その方の1人に上山信一さんという方がいます。その方が8月31日にツイート、つまりTwitterでの投稿を行ってるんですが、こういう内容のものが出ています。ちょっと読んでみますね。 「一方で不自由展は、少女像を置いただけで、政治プロパガンダと見られ、さらに他作品とあわせサヨク的企画と見られるリスクは明らかだった。プロのキュレーターが関与できない状況に至った過程を検証、再発防止策を考えるべき」と書いています。 これを見ますと、今日行われるヒアリングというのは公正な形で事実経過を果たして聴取してくれるかどうか。政治性という形の予断をもって、こちらのほうに質問してくるんじゃないかということも予想されます。そもそも検証委員の方が事前にこういった意見をネットの公共空間で披露するというのもまた、不見識に思います。今回の展示は強制的に終了という形になりましたが、今でも検閲が私たちに行われているんじゃないかと感じております。このドキュメントはこちらの抗議文と共に公式ホームページにアップされてますので、ぜひご覧ください。 司会:(英語)。