節約のプロが 教える! やってはいけないNG行動
◆こんなダメ行動、心当たりはありませんか?
NG1 過剰な買い込み パスタや缶詰め、トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどを必要以上に買い込んでいませんか? 過剰な在庫はスペースと家計を圧迫します。トイレットペーパーなら1カ月分と決めて、1つ使ったら1つ買い足すローリングストックを。 NG2 食材のまとめ買い 食材のまとめ買いの量が多く、使いきれずに処分してしまったり、まとめて作りおきおかずを作っても食べずに傷んでしまったり......という人も多いのでは? 買い物に行く回数を減らすのはよいことですが、管理しきれないほどのまとめ買いはNG。 NG3 保険の安易な解約や食費の削りすぎ コロナ禍で収入の減少などを受け、家計を心配するあまり、保険を解約しすぎて必要な保障(補償)額が不足したり、食費など必要な費目の予算まで削りすぎていませんか? これではいざというときの安心感もないうえに、家庭不和の原因にも。 NG4 夜中のネットショッピング 在宅時間が増えたことで、インターネットでの買い物が増えた人も多いと思います。とくに夜中のネットショッピングは、なんとなくノリで買ってしまうことも多いはず。夜は判断能力が落ちやすく、ムダな買い物が増えやすいので注意が必要です。 NG5 定額サービスの購入 健康やコロナ太り解消のためにサプリを定期購入したり、外出ができないため動画コンテンツなどのサブスクリプションサービス(定額サービス)に加入したり。毎月の支払いは少額でも、年間で考えると大きな出費に。不要なら早めに解約手続きを。
◆コロナ禍は節約を見直すいい機会~ピンチをチャンスに変える
コロナ禍においては、収入が減る不安を感じている方も多いでしょう。残業代や諸手当のカット、ボーナスの減額など手取りの収入が減るだけではなく、雇い止めや希望退職の実施など、職と収入を失うことも他人事ではありません。 しかし不安ばかり抱えていても改善することはありません。また、情報に振り回されてもムダな出費が増える原因になります。家計を守ることは家族を守ること。家族で話し合う時間を持ちやすい今こそ、朝や夜の余裕のあるときに、お金の流れと出費の優先順位を考えて、出すべきお金と抑えるべきお金のメリハリをつけて、生活の基盤をしっかりと固めることが大切です。 たとえ収入が減ったとしても、柔軟性のある家計にすることでピンチもチャンスに変えることができるはずです。 *食費 1、毎週決まった予算立てを 食費節約には予算を持つことが大切です。例えば、予算は1人あたり外食費も含めて月2万円(別途米代)として、4人家族なら8万円を5週に分けて1週間1万6,000円でやりくりします。残ったお金は取り分けをして、毎週決まった予算でやりくりします。 2、買い物は「3日に1回」 買い物をレジャー代わりにせず、1人で3日に1回の買い物とすることで、密を避けた行動をしながら、食費の節約ができるようになります。ネットスーパーを利用することで、予算が守りやすくなり、時間と交通費の節約にもなります。 3、レシートで食材管理 買い物へ行く回数を減らすためには冷蔵庫などにレシートを貼り、使った食材から消して在庫管理をします。また何も買わない「無買デー」を作り、家にある食材でやりくりする習慣を身に付けましょう。慣れてきたら「無買デー」の日数を増やすようにします。 *日用品費 1、常備在庫は「1カ月」程度に コロナ禍では、マスクやトイレットペーパー、うがい薬など情報一つで急に品薄になることもありました。マスクは布マスクも用意し、生活に欠かすことのできない衛生用品は1カ月程度のストックを常備しておくと品薄時の備えになります。 2、購入サイクルを把握する 過剰なストックは場所とお金のムダにつながります。ラップやティッシュペーパー、シャンプーなどは、パッケージに購入日、購入場所、購入金額、使い始めを書いておきましょう。買い物のサイクルと購入金額の目安を知ることができます。 *水道光熱費 1、「こまめに止める」習慣を 在宅時間が増えると水道光熱費も増える傾向があります。そこで、食器を洗う際は水の流しっぱなしをやめ、洗い桶を使う。浴槽の残り湯は洗濯に使う。電気はこまめに消す。ガスはお風呂の追いだきをやめるなどして、家族でこまめに止める習慣を身に付けましょう。 2、「ウォームシェア」で団らんを 冬は光熱費が高くなりがちです。暖房費の節約には、家族一緒に1つの部屋で過ごすウォームシェアがおすすめ。暖房費だけではなく、照明やテレビなどの電気代の節約にも。暖房時は厚手のカーテンを引いて、窓からの冷気をカットしましょう。 *通信費 1、今こそ、プランの一斉見直しどき 在宅勤務で通信費が増えたり、家族全員がスマホを所有して家計全体の通信費の負担が重くなりがちです。まずは現在契約しているプランが適切かどうか、パケット通信量や自宅の無線LAN接続費用をまとめて見直すと安くなる可能性があります。 2、やっぱり安い「格安スマホ」 大手キャリアから格安SIMに家族5人で乗り換えた場合、端末代別で、基本料金が5台分で8,000円程度になるプランもあります。ただし、スマホ端末が故障したらメーカー修理になることや、トラブル時には自分で調べて解決するスキルが必要になるのでご留意を。 *保険料 1、「掛け捨て保険」の検討を いつ何が起こるかわからない万が一のリスクに備えるのが保険の主な役割です。過去に加入した利率が高いお宝保険と言われるもの以外は、安い掛け捨てのプランなどに変更することで、保険料を大きく抑えることも可能です。 2、保険の更新時期を見逃さない 保険の見直しをするタイミングは、保険料が高いと感じたとき、年齢とともに保険料が上がる更新型の保険の更新時期(保障・補償内容の重複にも注意)、子どもの成長などがあります。保険の見直しはプロに相談をしてアドバイスを受けましょう。
【著者紹介】
丸山晴美(まるやまはるみ) 節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーなどの資格を持ち、身の回りの節約術や家計管理、ライフプランなどをアドバイスしている。『節約家計ノート2021』(東京新聞)など著書多数。 「PHPくらしラク~る」2月号より