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箱根駅伝無観客本当に可能!? テレビの前での応援呼びかける…学連トップに直撃インタビュー

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スポーツ報知

 箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)の有吉正博会長(73)、日隈広至副会長(55)、山田幸輝幹事長(神奈川大4年)が28日までにスポーツ報知のインタビューに応じ、コロナ禍における箱根駅伝のあり方や意義などについて説明した。関東学連は新型コロナウイルス感染症拡大抑制のため、今年度の主催大会について無観客で実施することを19日付で加盟校に通知。駅伝ファンに対しては「観戦自粛の要請という言葉は使いません。テレビを通じて応援してください」と呼びかけた。(取材・構成=竹内 達朗) 【写真】今年度の箱根駅伝開催についてインタビューに応じた関東学生陸上競技連盟の日隈広至副会長、山田幸輝幹事長、有吉正博会長  新春の風物詩、箱根駅伝。例年、沿道に二重三重の人垣ができ、往路(1月2日)、復路(同3日)の両日で100万人を超える大観衆が沿道に詰めかけ、学生ランナーに声援を送る。ただ、第97回大会は全く異なる様相となりそうだ。関東学連は19日付で加盟校に対し「競技会での応援等自粛について」という文書を通知し、その中で、新型コロナ拡大抑制のために箱根駅伝を含む今年度の主催競技会について無観客で実施することなどを明記。しかし、公道を走る大イベントを無観客開催とすることができるのだろうか。  ―応援自粛や無観客について詳しく伺いたい。  有吉会長(以下有)「この社会情勢の中、箱根駅伝はどのような形であれば開催できるか、と検討し、まずは加盟校に対して大学関係者、選手の家族などに応援自粛を周知徹底してもらうことをお願いしました」  日隈副会長(以下日)「19日付の通知は、あくまで加盟校に対してのもの。まず、自分たちが襟を正し、自ら律することが大事です」  10月17日に行われる予選会は東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地内を周回するハーフマラソン(21・0975キロ)で無観客開催される。例年は東京・立川市の立川駐屯地をスタート、市街地を回り、国営昭和記念公園ゴールのコースで行われるが、今回は特別措置が取られた。競技場で行われる大会や予選会は観客をコントロールすることができるが、公道を走るマラソン、駅伝は状況が異なる。今年3月の東京マラソンでは主催者は沿道での応援自粛を要請したが、約7万2000人が沿道で応援した。  ―箱根駅伝の無観客開催は事実上、不可能と思える。ファンへの対応は。  日「ファンの皆さんに対しては『無観客』あるいは『応援自粛要請』という言葉は使わないように考えています。『今回は沿道ではなく、テレビの前で応援してください』と繰り返し発信し、お願いしていく。今後、ホームページなどで正式に呼びかける予定です」  山田幹事長(以下山)「レース当日は沿道に例年より多くの走路員(加盟校学生による沿道整理係)を配置する準備を進めています。沿道で応援している人がいれば『テレビで応援してください』と呼びかけさせていただきたい」  有「駅伝は沿道の地元住民の皆さんの理解と協力がなければ成立しない。その地元の方々に『レース中に通行しないでください』などと言うことはありません」  関東学連は24日に予選会に向けて出場校に対し「新型コロナウイルス感染症 感染防止対策等の諸連絡」を通知。選手、監督ら毎日の活動をともにしているチーム内の関係者に3週間前(26日)以降に「陽性」反応があった場合、また、2週間前(10月3日)以降に保健所から濃厚接触者と認められた場合、チームとして出場を認めないことなどが明記された。プロ野球では阪神が5選手の感染を発表した25日も陰性が確認された選手によって試合が開催されたこともあり、その違いが鮮明になった。  ―予選会の対応は一部では厳しすぎるという声が上がった。本戦でも同様の対応となった場合、チーム内に12月12日以降に陽性者、同19日以降に濃厚接触者が確認されると、そのチームは出場できなくなるのか。  日「日本陸連のガイダンスに沿って、3人のドクターを含む新型コロナウイルス感染症対策委員会が策定されました。本戦に向けても、それまでに日本陸連のガイダンスに変更がなければ同様になるでしょう。お金を払ったお客さんがスタジアムで待っているプロのイベントと、学生の競技会である箱根駅伝は(大会のあり方や対応が)違うと思います」  学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月)などの中止が決定される中、箱根駅伝は安全を大前提に開催準備を進めている。  ―コロナ禍において箱根駅伝を開催する意義は。  有「関東学連には心配する声も届いています。それはもっとも。厳しい意見を真剣に聞いています。その中に大会をよりよくするための助言がありますので。1920年に始まった箱根駅伝は100年の歴史があります。戦争による中断はあるものの関東大震災(1923年9月)の翌年も開催された。先輩たちがつくった伝統を守ると同時にウィズ・コロナと言われる今、箱根路から全国に元気を発信できる大会にしたい」  日「どんなことがあっても開催する、というわけでは決してありません。安全を大前提として準備を丁寧に進めています。その結果、多くの人に応援してもらえる箱根駅伝でありたい」  山「選手からも『箱根駅伝はどうなるの?』という声がたくさん届いています。同じ学生として彼らの夢がかなうように安全を最優先に準備を進めていきたい。将来、また、困難が訪れることがあるでしょう。その時のために関東学連の後輩たちに2020年度に我々が前向きな準備を続けたということを残したい。『苦しんでいる人や大変な思いをしている医療従事者がたくさんいるのに』という意見は多くいただいている。全ての人に納得してもらうことは難しいですが、少しでも多くの人に理解してもらえるように努めます」  無観客という「理想」と、どれだけ観衆を減らせるかという「現実」の間で、大会運営に関わる全ての人が頭を悩ませている。安全を最優先とした上で学生ランナーが箱根駅伝に挑戦するチャンスを得られるか。それは箱根駅伝ファンに委ねられている部分が大きいのかもしれない。  ◆関東学連が加盟校に通知した「競技会での応援等の自粛について(抜粋)」(19日付、有吉会長名)  今年度の主催競技会については、新型コロナウイルス感染症拡大抑制のためにすべて無観客で実施します。大学関係者などに周知徹底をお願いします。  特に駅伝開催において沿道の地元住民の方々のご理解とご協力がなくては成立しません。これからも、末永く愛される駅伝競走でありたいと思っておりますので、ご協力をお願いします。  関東学連に所属する学生、指導者は社会の一員として、社会のマナーを遵守することを誓っています。競技会開催のためには、まずは我々が自律ある行動を示し、社会の皆様にご理解を得ることが必要です。  ◆関東学連としての自粛事項(19日付、抜粋)  (1)今年度の主催競技会は全て無観客。ライブ配信や日本テレビでの生中継などを予定。  (2)会場への来場は出場選手のほかは必要最少の人数とする。  (3)応援団など集団での応援は行わない。運営上必要なもの以外に大学名を示すのぼりなどの配布もしない。  (4)OB、OG、大学関係者、選手の家族などにも応援自粛を要請。  (5)会場などでは大会公式プログラムやグッズなどの販売活動は行わない。  (6)会場および周辺では新聞社の小旗や号外、大学新聞、協賛社関連配布物など運営に必要ではない全ての配布物を禁止する。  (7)開会式、閉会式、表彰式などの式典は縮小、もしくは行わない。  青学大・神林勇太主将(前回は大観衆の中で9区を走り、優勝に貢献)「箱根駅伝の沿道に観衆がいないことは想像しづらいし、残念ですが、それでも走れるならば感謝したい。代替の周回コースではなく、やはり、あの箱根駅伝のコースを走りたい」  順大OBの富士通・塩尻和也(4年連続で花の2区に出場)「箱根駅伝での声援はどの大会とも違う。あれだけ力になると感じるのは箱根駅伝だけ。今の学生がそれを体験できないことは残念。ただ、今も昔も学生がひとつの目標に練習していることは同じ。箱根駅伝があることに感謝し、全力を尽くしてほしい」

報知新聞社

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