100万円超でフェラーリの“お墨付き”をもらうのは高いのか?(連載:29歳、フェラーリを買う)
取得費用は約100万円
もうひとつ、交換しなくてはならないのがサスペンションだ。 現在、社外品のスプリング(swift製)やダンパー(メーカー不明)が装着されているのを、純正品に戻さなくてはいけない。 幸い、前オウナーが純正品を保管していたので、それに交換すればOK。ただし、動作確認をしていないので、はたして機能が問題なく使えるかどうかは不明だ。 360モデナのサスペンションは減衰力を、メーター横のスウィッチで切り替えらることができる。それが作動するかどうかは取り付けてみないとわからないという。 「もしかしたら、純正品が故障したので社外品に換装された、という可能性もあります」とは、高橋さんの推測だった。ちなみに、減衰力の調整機能が作動しなかったとしても、使えないことはないという。 交換に要する時間は約4時間。費用は約6万円だ。フロントリップと前後サスペンションの交換で約20~30万円は必要になるだろう。 くわえて、フェラーリ・クラシケの取得申請に20万円が必要になる。この20万円はクラシケの資格を取得できなかった場合でも返金されない。 さらに、フェラーリ・クラシケが取得されたあとに発行される認定書の費用が49万円かかる。概算見積書には消費税込みで、トータル「100万9338円」の数字が並ぶ。もちろん、これは追加整備がなかった場合のお話。フェラーリ本社からの指摘があれば追加作業も必要になるため、この金額ではとうてい収まらなくなる。 ホンモノである証明を得るために100万円……。正直、これが高いのか安いのかはなんとも言えない。ちなみに、フェラーリ・クラシケの取得費用はすでに数回改定されており、毎回、値上がりしているという。今後も値上がりする可能性は十分あるから、どうせ取得するなら早いにこしたことはない。 今後は、社外品パーツを換装後、フェラーリ本社から指定された箇所をディーラーが撮影し、その写真をイタリアに送付、現地にある書類と照合し、鑑定を進めるという。ちなみに、360モデナ以前では紙でしか資料がないそうで、照合が大変なんだとか。それゆえ、けっこうな時間がかかるという。 はたして、わが360モデナは、無事にフェラーリ・クラシケを取得出来るのか? 次号に続く。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)