【周回遅れの日本の盗聴捜査】米国で起きた“重大事件”、闇バイト対策で税金の無駄遣いはするな
E2EEメッセージングアプリの使用を推奨する米国
中国からの通信事業者へのハッキングを受けて12月3日に通信会社向けに米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)、国家安全保障局(NSA)、FBI、オーストラリア通信信号局(ASD)のオーストラリアサイバーセキュリティセンター (ACSC)、カナダサイバーセキュリティセンター(CCCS)、およびニュージーランドの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC-NZ)は、共同で中華人民共和国(PRC)関連の脅威について警鐘を発するとともにCISAは、通信事業者に対して、今回のハッキングに対処するため「通信インフラストラクチャの可視性と強化に関するガイダンスの強化(Enhanced Visibility and Hardening Guidance for Communications Infrastructure)」と題するセキュリティ対策を急きょ発表した。 また、米国政府の消費者金融保護局(CFPB)は従業員に対し、当面、仕事で携帯電話の使用やテキストメッセージの送信を行わないよう勧告しているが、すべてのバックドアの安全が確認されるには、数カ月、数年はかかるだろう。CALEAに基づくバックドアは、全米でいくつ設置されているのだろうか。12月4日現在、米捜査当局は、今なお通信の安全性が確認されていないと発表している。 CISAのサイバーセキュリティ担当エグゼクティブアシスタントディレクターのジェフ・グリーン氏は、CALEAを否定しかねない発言をしている。グリーン氏は、12月4日、NBS Newsの取材に対し、侵害の規模が非常に大きいため、通信の安全性が確認できるのは、いつになるか分からないとした上で、「テキストメッセージングでも、暗号化された音声通信を使用できる場合でも、暗号化はあなたの味方です。たとえ敵がデータを傍受できたとしても、暗号化されていればそれは不可能になります」と述べ、すべての通信を暗号化する必要性を強調するとともに、通信の利用者にはSignal、WhatsApp、iMessageなどのメッセージアプリの使用を推奨した。また、場合によっては中国との通信を制限することになるかも知れないと述べている。 「米史上最悪の規模」いわれる盗聴事件が起こった米国は、今、国民に対して、政府でも通信傍受が不可能なE2EE暗号化が施されたメッセージングアプリの使用を呼びかけているのだ。