コロナ禍に2店同時開業を決断! 夢に出た…門前のパン店&カフェ 夜はマスターも 経営者「挑戦しないと生きていけない」
特集は飲食店経営者の密着取材です。年末、長野市・善光寺の門前にパン店とカフェがオープンしました。実は「ここが勝負どころ」と飲食店グループを率いる男性が同時に出した店です。コロナ禍の苦悩と挑戦を追いました。
焼き立てのパンが並ぶ店内。こちらは善光寺門前にオープンした「信州門前ベーカリー蔵」。明治時代からある麻蔵をパン店にリノベーションしました。
そこから少し参道を下った場所にあるのが「cafe winds daimon」。モーニングの時間は、パンをビュッフェ形式で味わえます。
客: 「新しいお店できてるって思って調べたら、いいなって思って。すごいおしゃれで、木の感じとかもすてきだなって」
2つの店は2021年末、ほぼ同時にオープンしました。手がけたのは飲食店グループの代表・田中正之さん(63)です。コロナで苦境が続く中、「勝負」に出ました。
飲食店グループ代表・田中正之さん: 「何もやらなかったらそこで終わり、止まっちゃう。常に前向きに少しずつ少しずつ行ける所まで行くのが大事」
1月14日・金曜の夜― 雪は止みましたが、長野駅前の人影はまばらです。駅前のビルの地下に田中さんが今もマスターを務める店があります。
ウインズ長野店。 常連客: 「お願いします」
飲食店グループ代表・田中正之さん(ウインズ): 「はい、おまちどうさん」
オープンして36年。この日も常連客が足を運んでいました。 常連客: 「週に1回くらいは会社の帰りに(来店)。(マスターといつもどんな話を?)仕事の愚痴ですかね(笑)」
いつものビールに、いつもの笑顔。
しかし…。
飲食店グループ代表・田中正之さん: 「コロナ前に比べると売り上げは半減くらいしてまして、人が動かなくなりました」
田中さんは旧信州新町の出身で高校卒業後、飲食業界へ。店長として経験を積み、おととし、ビアレストラン、そば店、ホテルの厨房など6つの店・事業所を束ねるグループの代表に就きました。