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コロナ禍でも制作を止めないスタジオコロリドのテレワーク移行 ~Netflix映画『泣きたい私は猫をかぶる』

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CGWORLD.jp

いまだ猛威をふるい続けているコロナウイルス感染症(COVID-19)。現在では対策を取りつつ制作を進めるスタジオも増えてきたが、当初は多くのスタジオで制作の中断を余儀なくされた。そんな中、いち早くテレワーク体制を整えたのが、当時『泣きたい私は猫をかぶる』制作中だったスタジオコロリドだ。スタッフの安全を守りながらも制作の効率を落とさないコロリド流テレワーク体制について、環境構築を担ったリトルビットに話を伺った。

アニメ制作のシステム管理に特化した唯一無二の会社

CGWORLD(以下、CGW):まず、リトルビットについて教えてください。 若狭 隆氏:(以下、若狭):リトルビットは私が代表を務める、スタジオのシステム構築を行う会社です。アニメーションスタジオを中心に、スタジオの起ち上げから保守までを担当しております。今年だけでアニメスタジオの起ち上げを4社ほど(6月時点)進めさせていただいていますが、加えて最近はリモートワークへの移行案件が非常に増えていますね。 CGW:アニメ制作のスタジオ構築に特化されているのはどういった理由があるのでしょうか。 若狭:以前から、アニメ業界は他の業界に比べてデジタル化が進んでいないと感じていました。やはりまだまだ紙ベースで進んでいるところが多いので、これからシステムをデジタルに移行していく可能性のあるスタジオがたくさんあります。その一方で、そういったアプローチをされている会社はあんまりなかったので、私たちでやろうと。あとはそもそも単純にアニメに携わるアーティストさんたちにもっと楽に働いてほしいというか、手助けしたいというマインドがすごく強くて(笑)。そういった理由からあえてアニメに特化するという選択を採りました。 CGW:アニメスタジオに特化“できる“ということは、それだけアニメ制作を理解されているということかと思いますが、もともとはアニメ業界に携わっておられたのでしょうか? 若狭:私は、元々美術大学のエンジニアとして働いていました。そこに勤めていた2003年頃、大学でアニメーション学科というのをつくることになったんです。1学年100名で4学年、計400名にアニメを教えることができるように、システム設計をやれと言われまして。 ......これはけっこう恐ろしいことで、例えば100~200枚の課題を出すとすると、400人分もあると紙の山になってしまいますし、データにしても400人が同時に外付けハードディスクやUSBメモリで提出することになれば、大変なことになってしまいます。 当時は現在よりもアナログな時代でしたが、ネットワーク化とデータ化を進めていかないと授業が回らないということはすぐわかったので、一生懸命アニメ制作をデジタル化するにはどうすればいいんだろうっていうのを研究しましたね。 CGW:システム構築をしていくときにはどのように進めていくのですか? 若狭:スタジオの規模によってがらりとアプローチの仕方を変えていますね。100名を超えるスタジオもあれば5名以下で運用されているスタジオもありますが、10人以下、20~30人、30人以上といったおおよそ3つのフェーズにわけて考えています。 30人以上になると、サーバや回線、マシンまでのネットワークケーブルなどを多重化することで、サーバダウンなどの問題が起きたときにも作業が止まることのないような提案をします。コロリドさんにもこういった提案をしています。 若狭:20~30人はアニメスタジオとしては一番多くみる規模ですが、上記の提案よりはコストを抑えつつも、バックアップのシステムはしっかりと用意した提案になりますね。10人以下のところでは、コスト面に重きを置いて、「なるべく安く、なるべく性能が良いものを」といった考え方になります。多重化であったり、リアルタイムのバックアップだったり、あるいはバックアップの世代管理に関してはヒアリングしながら予算に合わせて提案していくことになります。 規模が大きくなっていくにつれて多重化は推奨しています。というのも、スタジオが1日止まればアーティストさんの人数の分だけ仕事が止まってしまいますので、いかに仕事を止めないようにできるかが重要になってきます。これまで携わったスタジオでは1日以上仕事が止まる事態は起きてないので、どうにか回せているかなという自負はあります(笑)。

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