ウッド不調にストレスMAX! 木下稜介は人生初のひと晩でニキビが2つ
◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 3日目(30日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇晴れ(観衆2852人) 【画像】PGAツアーコミッショナーはいくら稼ぐ? 大会3日目の朝、木下稜介が目覚めると口元に2つ、ニキビができている。前日にはなかったから、たったひと晩でふくれたに違いない。「こんなのいままでなかったのに!」。実はかなりストレスが溜まっていた。 原因はウッド系の不調。ドライバーを握れば250ydほどしか飛ばず、ヒールに当たったり、スライスが出たりとショットが荒れていた。怒りをぶつけるようにラウンド後は練習場で3かご分打ち込んだものの、悩みは解消されず。「すごい、すねてましたね…。本当に悩んでいました」。それだけプンプンしていれば、そりゃあ身体にも反応が出る。 もともとはドローヒッターだったが、8月下旬頃からフェードに変えていた。フェード一辺倒で戦っていたところ、今度はどんどんカット軌道が強くなってしまったという。3週前「三井住友VISA太平洋マスターズ」の月曜日に痛めた左股関節をかばっていたことも“悪癖”に拍車をかけていた。
悩める33歳が頼ったのは、以前からスイングを見てもらっている男子プロの白佳和。悩みを相談し、ドロー回帰を決断した。思い切って挑んだ3日目、5Wを握った3番のティショットで会心の一打が出る。「自分の思い通りのドローが打てた。一番の手応え」とこの日最初のバーディを奪った。その後は前半で4つ伸ばし、後半は2つボギーを打ったものの、13、16番でバーディ。「66」で回って、1オーバー18位から通算3アンダー6位まで駆け上がった。 「スイングがカット打ちになってしまうから、やっぱりフェード一辺倒ではだめ。今日はドローにしてすごく良かった。これからのゴルフ人生にもつながる、大きな気づきでした」。スコア以上に得たものは大きい。 現在賞金ランクは5位で、初の賞金王戴冠には優勝が必須。最終日は首位・中島啓太との8打差を追う。「上位勢が非常に伸ばしているけど、可能性はゼロじゃないと思う。今日のショットみたいな手応えがあれば、ワンチャンスある」。明日トロフィを掲げられれば、口のニキビもたぶん治る。(東京都稲城市/合田拓斗)