エースの進境著しい駒大か、「史上最高」メンバーの青学大か、「出雲」優勝の東京国際大か【箱根駅伝・展望】
正月恒例の第98回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝、10区間217・1キロ)が2、3日に行われる。今回は昨年11月の全日本大学駅伝を制し、総合2連覇が懸かる駒大、2大会ぶりの総合優勝奪還を狙う青学大、初出場だった同10月の出雲駅伝で初優勝を飾った東京国際大の下馬評が高い。この3強を全日本大学駅伝3位の順大、予選会トップ通過の明大、1万メートル27分台を3人そろえる早大などが追う展開だ。 【写真ハイライト】最古の区間記録も…箱根駅伝・往路 ◇ ◇ 昨年の箱根を13大会ぶりで制した駒大はエースの田沢廉(3年・青森山田)が進境著しい。昨年12月4日の日体大長距離競技会では男子1万メートルの日本歴代2位となる27分23秒44をマークし、今夏に米オレゴン州ユージンで行われる世界選手権の参加標準記録(27分28秒00)を突破。自己ベストを15秒以上更新し、東京五輪代表の相沢晃(旭化成)が持つ日本記録27分18秒75に5秒差まで迫った。昨年5月の日本選手権1万メートルで2位の田沢に続く3位に食い込み、前回の山上り5区で区間4位と力走した鈴木芽吹(2年・佐久長聖)が故障で出遅れたのは気掛かりだが、鈴木を欠いた全日本大学駅伝で一時11位に沈みながら逆転優勝した地力は本物。5、6区の特殊区間で大きなロスがなければ、そのまま押し切れる戦力が整った。 選手層の厚さでは青学大も負けていない。1万メートル28分10秒50でチームトップの近藤幸太郎(3年・豊川工)をはじめ、箱根駅伝に今回エントリーした16人全員が1万メートル28分台と粒ぞろい。原晋監督は「箱根の登録メンバーでは青学史上最高」と自信をみなぎらせる。前回は往路でまさかの12位となり、復路で優勝しても総合4位まで挽回するのがやっとだっただけに、各区間で大幅なロスなく走れるかが鍵になる。 東京国際大は前回2区で1時間5分49秒の区間新を樹立したビンセント(3年)が中心。初出場Vの出雲駅伝だけでなく、全日本大学駅伝でも一昨年の10位から5位に順位を上げており、留学生以外の走力も侮れない。 順大は東京五輪3000メートル障害で日本勢初の7位入賞を果たした三浦龍司(2年・洛南)が、チームを活気づける走りができるか。前回優勝候補に挙がりながらシード落ちした明大は予選会で2位の中大に4分16秒もの大差をつけ、出場権を獲得。群を抜く速さを見せつけた。早大は中谷雄飛(4年・佐久長聖)、太田直希(4年・浜松日体)、井川龍人(3年・九州学院)の1万メートル27分台トリオで大きく貯金を稼げれば、3強と遜色ない戦いができる。
中日スポーツ