女性政治家×ファッションー新時代の幕開け。若手デザイナーへ与える影響力とは?
ミシェル・オバマが2009年の大統領就任式で「イザベル・トレド」と「ジェイソン ウー」を着用した瞬間は、両デザイナーのキャリアのターニングポイントとなった。ミシェルがファーストレディを務めた8年間、彼女は「ブランドン マックスウェル」や「タクーン」、「ソフィー・テアレ」といったブランドにスポットライトを当て、知名度を上げてきた。今年の大統領就任式でも、カマラ・ハリス副大統領やジル・バイデン夫人は同じように、自らの影響力を利用して若いアメリカ人のデザイナーをサポートした。 【写真】ジル・バイデンは何を着た? 歴代ファーストレディが就任パーティで纏ったドレスを総覧
ハリス氏は、就任式の前日にカービー・ジーン・レイモンドが手掛ける「パイアー モス(Pyer Moss)」のコートを、就任式当日はクリストファー・ジョン・ロジャーズ(Christopher John Rogers)が手掛けたコートと、2人の黒人デザイナーの服を着用した。これは、黒人初の副大統領に就任したハリス氏にふさわしいチョイスといえる。
カービーはハリス氏が着たキャメルコートは就任式よりもずっと前から計画されていたものだったと話した。カービーは、「カマラのスタイリストから連絡をもらったのは、バイデン大統領が副大統領候補にカマラを指名した次の日でした。それからいろいろなプロジェクトについて話し合ってきましたが、常に就任式のことを念頭に置いていました。カマラのためにいくつかのドレスやアクセサリーのオプションを用意していましたが、最終的にカマラが選んだのはスタイリストが推していたキャメルコートでした」と話し、実は候補として選ばれたときから水面下で動いていたことを明かした。
カービーは、このコートをコスチュームデザイナー兼クチュリエのカミラ・ヒューイと共に製作。カービーは過去に何度もコラボレーションしているカミラのことを、「デザイナーとしての私の成長の一部であり、私の人生になくてはならない存在」と表現。また、「彼女は、以前は一人ではこなせなかった困難な仕事のこなし方を教えてくれました。2019年のメットガラの衣装の製作もカミラが手伝ってくれました」と話した。