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原爆症訴訟 原告11人中5人を認定 広島高裁、1審判決を取り消す

配信

毎日新聞

 原爆症の認定申請を却下された広島県内の被爆者11人が国に処分取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁(三木昌之裁判長)は22日、全員の訴えを退けた1審・広島地裁判決を5人について取り消し、原爆症と認めた。5人は甲状腺機能低下症や心筋梗塞(こうそく)を患っており、認定要件の「原爆放射線と疾病の関連性(放射線起因性)」が見られると判断した。他の6人については1審を支持した。  11人の疾病が放射線起因性かどうかなどが争点となり、三木裁判長は「健康に影響があり得る程度の放射線に被ばくした」と認定。4人の甲状腺機能低下症と1人の急性心筋梗塞が放射線に起因するとした。  訴えていたのは、爆心地から1・2~4・1キロで被爆するか入市被爆した70~90代の男女11人。2005~14年に認定申請をしたが却下され、17年11月の1審判決は「要因は加齢などの可能性がある」などとして一人も認めなかった。  今回の判決で原爆症と認められた広島市安芸区の南石(みないし)淑江さん(76)は1歳の時に爆心地から2・3キロで被爆し、甲状腺機能低下症に苦しんできた。判決後、「なんと言っていいかわからない。本当にうれしい」と語った。  国は原爆放射線が原因で病気になった被爆者に月額約14万円の医療特別手当を支給。申請を却下された被爆者の集団訴訟が相次いだため、08年に被爆距離などを条件にがんなど5疾病を積極認定する方針に転換し、13年には白内障などがん以外の認定要件も緩和した。現在の基準で審査した14~19年は5974件が認定され、2967件が却下されている。【手呂内朱梨、小山美砂】

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