日本製鉄「海の森プロジェクト」、北海道泊村で藻場約1.5倍に
日本製鉄は24日、北海道泊村で鉄鋼スラグを活用した藻場再生「海の森プロジェクト」の見学会を開いた。海藻の繁茂の様子を解析し、プロジェクト開始から約1・5倍の藻場増加を報告した。3月には二酸化炭素(CO2)吸収量8・5トンのJブルークレジット認証を受けている。 先端技術研究所の小杉知佳課長は、泊村・古宇郡漁業組合との共同プロジェクトの経過と成果を報告。採取したホソメコンブの生育状況から「すごく厚みがあり虫もついていなくて状態が良い。道内全体で不作という状況の中、こうして元気なコンブがみられて安心している」と手応えを口にした。 現在、全国50カ所以上で進めている「海の森プロジェクト」。泊村の海域では数年、海中の栄養分が少なくなる「磯焼け」が広がっており、特産品のウニ、アワビなどの生育に影響が出ていた。2018年から臼別、22年から照岸、23年から渋井の泊村内3カ所へ室蘭製鉄所(室蘭市)で製作した藻場造成製品「ビバリーユニット」(製作はテツゲン)を約30トン施肥。製鋼スラグに含まれる鉄分が海域に供給され、藻場再生に効果が出ると期待されている。