大阪府・吉村知事が定例会見8月25日(全文5)国民とのコミュニケーションが非常に重要
この感染症を抑える上で最も重要なことは
大阪日日新聞:最後、3点目で伺いたいんですけれども、最後、すいません。これまで第1波から始まりまして、去年の3月以降ですね。今は第5波と闘っている真っ最中かと思うんですけれども、これまで府の、行政のトップとして1波からずっと向き合ってこられて、この感染症を抑える上で最も重要なことっていうのは、知事としてはどういう部分だというふうにお感じになってますでしょう。 吉村:これはさまざまな要素があると思いますけれども、医学的な観点から見れば、やはりワクチン、それから治療薬だと思っています。この感染症が出てきたときには治療薬もない、ワクチンもないところからのスタートでしたが、今は非常に有効なワクチンも出てきてます。このワクチンをいかに広げていくのか。それから治療薬も当初なかったわけですけれども、今はこうやって、今日の発表の抗体カクテル、ロナプリーブもそうですし、中等症、それから重症に向けて治療できるような、レムデシビルなんかもそうですし、デキサメタゾンもそうです。人工呼吸器であったりECMOであったり、さまざまな治療方法というのがずいぶん確立されてきていると。治療薬ですね。 あと、やはりもう一段、なんとかこれは医療界にもお願いしたいのが、経口治療薬です。錠剤の治療薬で軽症者に適応するもの。デキサメタゾンについては経口治療薬ですけれども、これは基本的に重たい方が対象になりますので、ステロイドですから。ロナプリーブは軽症者に適応はあるんですけど点滴なので、やっぱりいろいろ、24時間とかいろんな制約がありますので難しいですけど。経口治療薬については世界の製薬会社も日本の製薬会社もかなり力入れて、いろんな治験も始まってますから、この経口治療薬がまず1つの大きなポイントだろうと。医学的にはそこだと思ってます。
軽症者と重症者が分かれている
もう1つは、やっぱりこれ、社会学っていうのかな。結局これは国民の皆さんとのコミュニケーション、ここが非常に重要だと思ってます。結局これは感染症なんで、人と人を介してしか広がらないです。人と人との接触がなかったら必ず収まる病気なので。ある意味、今から2週間、全員ステイホームをして、新聞もテレビも全部なくして2週間、全員家におったら、もうほぼゼロになるのがこのウイルスです。 それが社会生活上できないというので、どこまでやるかとかいろんな議論もあって、そこでの不利益を受ける人、そうではない人、いろんな人たちで社会が成り立ってるので不公平感が出たりだとか、そういったこともあって、コミュニケーションっていうのが非常に難しいし、逆に言ったらそのコミュニケーションがうまく全体の中で、なんて言うのかな、国民とか府民、県民が一体になって抑えていこうよっていうのが団結できれば、非常にこの感染っていうのは抑えることができると思ってます。そこがなかなか簡単にいかないし、誰かが悪い、こいつが悪い、あいつが悪いって思いたくなるので、そうなってるうちはなかなか減るのも少なくなってくるし、もう自分たちはいいじゃないかみたいなことが出てきたら当然減らないし、一方で命を落とす人が出たり。そこら辺りが、社会全体で抑えていこうっていうのが、これはもう政治家も、僕も含めて力不足なのかも分かりませんけど、そういったところが非常に重要なんだろうと思ってます。 もう1つ難しいのが、やっぱり軽症の人と重症の人が非常に分かれてるんですね。みんなが重症になってみんなが死亡するってなったら、これはみんなが抑えようってやりやすいんですけど、これは正直申し上げて若い人、10代も含めて若い人は軽症・無症状、非常に多いです。高齢者になればなるほど死ぬ病気に近づいていきます。今、高齢者の65歳以上はワクチン打ってるのでほとんどそこは少なくなってますけど、ワクチンがいっていない40代・50代の人にも重症化してお亡くなりになる方も増えていく。40代・50代でお亡くなりになるって、まだまだ人生これからですから、そういった方でもやっぱりお亡くなりになる病気で、なかなか治療が行き届かないってことになったらこれは大きな問題ですから。ただ、一方でそれが全員かというと、そうじゃなかったりもするので、そこでこれを抑えるために全員で協力して進めていこうよっていうのが、いかに難しいかということだと思います。 【書き起こし】大阪府・吉村知事が定例会見8月25日 全文6に続く