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[コラム]文在寅政府は“親中”なのか

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ハンギョレ新聞

 「現政府はあまりにも“中国寄り”ではありませんか?」  このような話をよく聞く。ネット上でも「親中政府」と非難する書き込みを数多くみられる。文在寅(ムン・ジェイン)政権を“親中”だと攻撃する保守・極右勢力の執拗な攻勢が“嫌中ムード”の広がりと重なって、深刻な誤解を作り出した。  保守・極右勢力が文在寅政権の外交安保政策を“親中”と非難する主な根拠に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生初期に中国人の入国を全面禁止しなかったため、COVID-19が広まったことを挙げている。世界的に見ても、中国からの入国を禁止するだけでは防疫に失敗した国の方が多いという点で、フェイクニュース攻勢と言わざるを得ない。2017年に中国を訪問した文在寅大統領が北京大学での演説で、「中国は高い山の峰のような国」であり、「(韓国は)中国の夢と共にいる」と発言したことも問題視されている。“外交的レトリック”として行き過ぎた側面があるものの、米国に対してはより大袈裟な修辞が使われてきた点を考慮しなければならない。  むしろ文在寅政府の外交政策は過度に“親米”的と言える。トランプ政権を説得して朝米交渉を進展させることに相当な外交力を注いだからだ。大統領府は2018年、中国を除いた「南北米終戦宣言」を推進すると発表し、中国が激しく反発したこともあった。2019年2月28日、ハノイでの朝米首脳会談でトランプ大統領が自らの政治的利害関係のため、合意を拒否してから、韓国は“トランプに頼り切る”政策を打ち切り、自ら核問題の解決策を打ち出さなければならなかったが、それからも米国を説得することに時間を費やしてきた。  米中「新冷戦」の影響が韓国外交にも主要な課題となった今、韓国政府は中国に対する冷徹な理解と戦略の不足を反省しなければならない。THAAD(高高度防衛ミサイル)をめぐる軋轢を「3つのノー(THAADを追加配備しない、米日ミサイル防衛(MD)に加わらない、韓米日の協力を軍事同盟に発展させない)」原則を言及することで取り繕って以来、問題をまともに解決するための対中外交は稼動していない。大統領府内に対中国戦略を担う戦略家がいないことを、文在寅政府に助言する専門家たちでさえ深刻な問題だと指摘する。「外交部で米中新冷戦に備えるための政策報告書を作成したが、大統領府では誰も気に留めなかった」、「大統領府安保室は米国派、外交部は北米局が主導している。中国関連政策には誰も取り組もうとしない」。多くの専門家がこう話している。  先週末、中国の外交政策を総括する楊潔チ政治局員がシンガポールを経由して訪韓し、釜山(プサン)でソ・フン国家安保室長と6時間にわたって会談した。楊政治局員は米中対立を含む国際情勢に対する中国の立場を説明し、「韓国は習近平主席が優先的に訪問する国」だと確認した。  楊政治局員はなぜこの時期に韓国を訪れたのか。米中の対立が激化する中、最近、中国内部では米国の攻勢に対する対応方向をめぐり、強硬派と穏健派の論争があったが、冷静に状況を管理する方向で意見がまとまった。トランプ政権のわなにはまり、中国に対する国際的反感を高めるよりは、落ち着いて友軍を確保し、“持久戦”で勝利を勝ち取る戦略だ。中国が激しい内部論議の末に戦略を整えてから、初めて取った行動が楊潔チ政治局員の韓国、シンガポール訪問だった。今週は王毅国務委員兼外相がドイツなど欧州5カ国を歴訪する。  北東アジアの韓国、東南アジアのシンガポール、欧州のドイツは、米国と緊密な関係を結んでいる主要国の中で、中国が合従連衡の主な対象に選んだ国である。ドイツは欧州で中国を経済的に最もよく活用する国として知られている。シンガポールは、リー・クアンユ―元首相からリー・シェンロン現首相まで、世界で中国を最も深く理解し、米中間で巧みな外交を行うことで有名だ。  習近平主席の訪韓を通じて韓国はどんな課題を解決しようとしているのか。もう「限韓令の解除」といった目標だけに限定してはならない。中国の排除を狙う経済繁栄ネットワーク(EPN)への参加と、中国の未来産業の核心である華為(ファーウェイ)への半導体の供給中止を求める米国の圧力をいかに克服し、中国との関係をどのように設定するかを総合的に考えなければならない。北朝鮮核問題の解決と朝鮮半島平和プロセスにおいて、中国とどのような協力をしていくかも明確に判断しなければならない。香港国家安全維持法などに対する確固たる立場も必要だ。中国が発し始めた“友好のシグナル”を活用しつつ、敵味方を分けようとする米中の圧力に巻き込まれないよう、朝鮮半島の平和と繁栄を進展させる戦略を政府がどれだけ深く考え、練っているのかが気になる。 パク・ミンヒ論説委員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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