ナイキとのコラボが話題!韓国発「RE;CODE」の アップサイクル術。
韓国発のリコード(RE;CODE)は、ナイキ(NIKE)とコラボを展開し話題を集めるアップサイクルブランド。生地の再構築を得意とし、その技術は服だけに限らず、軍用テントやパラシュート、車の座席カバーと多岐にわたる。新たな付加価値を生むためのクリエーションへのこだわりを深堀りしていこう。
ソウル発のリコード(RE;CODE)は、大胆にカッティングされたパーツのパッチワークや巧妙に組み合わせた立体的なシルエットなど、ユニークで複雑なデザインが強みだ。1957年設立という長い歴史を誇る老舗の繊維製造会社「Kolon Industries」によって2012年に設立。余剰生地や売れ残った在庫を捨てることなく、アップサイクルによって新たな製品として販売することを目的に誕生した。 リコード(RE;CODE)というブランド名は、「RE;」=革新的な考え方に触発されて再作成されたデザインと、「CODE」=ファッションを超えた新しい文化をコード化し、共有と環境問題の価値を広めるということに由来する。「ただのファッションではない(This is not just fashion)」をスローガンに掲げ、大量生産によって起こる廃棄処分の問題、環境破壊へのアンチテーゼとして、日々作られては着られることなく捨てられる運命にある服を救い、新しい価値を吹き込むための活動を行なっている。
軍用テントもパラシュートも再利用。
メンズのジャケットやコートはパーツごとに分解し、レディースのベストやドレスへ生まれ変わる。これらの複雑かつ細かな作業工程は全て熟練の職人の手によって行われ、一つのデザインにつき最大6着までと生産を限定している。同じデザインでもハンドクラフトによってディテールに微妙な違いが生まれ、それは1点物と同様の稀少価値を得ることにもなるだろう。 廃棄処分の撤廃を目指すことに加えて、作り出される製品をグレードアップさせ、新たな付加価値を生み出すことにも力を注ぐ。そうすることで長年大切に愛用されるアイテムとなり、持続可能性へと繋がっていくのだ。 リコードのアップサイクルは、衣類だけに限らない。軍用テントや制服、パラシュート、車の座席カバーやエアバッグに至るまで、一見服になるとは思えないユニークな素材もデザイナーのアイデアと職人の技術によって見事に変貌を遂げているのだ。 また、知的障害者の雇用にも力を入れ、若き才能あるデザイナーからのアイデアを採用するといった支援も実施。シングルマザーや北朝鮮からの亡命者支援なども行っているという。