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ビジネスの危機を乗り越える知恵と戦略の宝庫 「社史」は人間ドラマで読む

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NIKKEI STYLE

『20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑』より

皆さんは、「社史」に対してどのようなイメージを持っていますか? 「つまらない」「堅い」……そんなイメージの方も多いのではないでしょうか。しかし、実は社史をひもとくことは面白く、かつビジネスパーソンが危機を乗り越えていくための「知恵」と「戦略」の宝庫であるといいます。近刊『20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑』(日経BP)の著者、杉浦泰さんに「ビジネスの知恵」を学ぶための社史の読み方と、その魅力をうかがいました。            ◇    ◇    ◇

こんにちは。杉浦と申します。 突然ですが私は今、「社史」に取りつかれています。毎日、何かしらの会社の歴史を調査しないと気が休まらず、「今日はX社の歴史がイイ感じに調査できた」と実感することに、日々の幸せを感じています。 しかし、社史のイメージはたいていネガティブで、 ・市販されず書庫で眠っているだけ ・配布されても重くて置き場所に困る ・内容は事実の羅列のみ であることも承知しています。私は500以上の社史を調査してきましたが、これまでの人生で一度も「社史が好き!」という人に出会ったことはありません。 今回お話しするのは、そんな「つまらない社史」が、とんでもなく面白く、しかも現代のビジネスパーソンに役立つ教材に変わる読み方です。

社史=「忖度」の塊。「人間ドラマ」を読み解くには?

私は今、社史を調べないと寝付けないような状態ですが、それでも単なる「読み物」としては、社史はまったく面白いものではありません。 その理由は、社史が「忖度(そんたく)」で作成されているからです。社史は通常、その企業の何周年という節目に、企業側からの発注によって作成されます。当然ですが、そこに「泥沼の政治劇」や「失敗談」が書かれることはありません。結果として、関係者全員に忖度した無難な記述となるのです。 では、どうすれば社史から「忖度」を取り除くことができるのでしょうか?

それは社史に、「リアル」を足すことです。具体的には、経済メディア(新聞・雑誌・ウェブ)による「企業分析」や、経営者や社員の「自伝」「インタビュー記事」を合わせて読んでいきます。 近刊『20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑』では、無印良品を展開する「良品計画」を取り上げていますが、1990年代後半に順調に業績を伸ばし「無印神話」と称賛されていた良品計画に対し、2000年を過ぎた頃から各経済メディアは「『無印神話』が崩れた」と忖度なく経営問題を指摘しています。あるいは、社長を務めた松井忠三氏の著書『無印良品は、仕組みが9割』(角川書店)には、重大な危機に陥った時の生々しい証言が描かれています。これらが、当時のリアルを読み解く材料となるのです。

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