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対策しきれない成長こそ“異次元”藤井聡太七段の快進撃を紐解く師匠の言葉と研究仲間・永瀬拓矢二冠に連勝の意味

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ABEMA TIMES

 「絶好調」「波に乗っている」「勢いづいた」。将棋の最年少棋士、藤井聡太七段(17)について伝える時に、いよいよこんな言葉を使いにくくなってきた。今は調子がいいのか、それとも他を引き離すほど強いのか。そんなことすら周囲が判断しきれないほど、圧倒的な強さで勝ち進んでいる。ヒューリック杯棋聖戦では“現役最強”とも呼ばれる渡辺明棋聖(棋王、王将、36)に2連勝し最年少タイトルに王手。明日7月1日からは2つ目のタイトル挑戦で、木村一基王位(47)との王位戦七番勝負が始まる。藤井七段の強さは、いくつかの証言と結果を見ると、余計に凄みが増してくる。 【動画】藤井聡太七段、初タイトルに王手をかけた瞬間  まず、今好調なのか、という点。6月20日に行われた竜王戦3組ランキング戦決勝で、杉本昌隆八段(51)との師弟対決があった。藤井七段の勝利で終わった後の記者会見で、報道陣からの質問に、杉本八段はこう答えた。「(藤井七段は)好調と言えば、ずっと好調です」。何かしら体調不良があることもなく、順調に成長しているという意味で好調。別に強いのは、今に始まったことでもない。将棋に関して「教えることはずいぶん前からない」と言うとおり、何かしら棋力向上についてサポートする時期はとうに過ぎた。今がピークでもなければ、人生に何度も訪れないハッピーイヤーがやってきたわけでもない。師匠からすれば、今の活躍ぶりはさして驚くことでもなかった。  では、やはり実力で抜きん出たのか。6月、2度にわたりタイトルの挑戦者決定戦を戦った、永瀬拓矢二冠(27)との関係からも、推測ができる。この2人がVS(1対1の練習将棋)をし、互いを高め合う間柄であることは、今回の“2連戦”で広く知られることとなった。ただ練習将棋といえば、必ずしも自分の手の内を全てさらけ出すものでもなく、時には実戦ではほぼやらない将棋を「お試し」ですることもある。ところが藤井七段は練習であっても実戦と同じ戦い方をする。だからこそ永瀬二冠は、これ以上なく勉強になるからと、VSを望む。  その将棋に対する熱心さから“軍曹”“中尉”と呼ばれる永瀬二冠は、いわば研究の鬼でもある。VSで何度となくその戦い方を目の当たりにし、公式戦で初めてぶつかった4日、そして23日。複数のタイトルも保持する実力者が連敗したことは、今の藤井七段に向けてのトップ棋士の「対策」をもってしても、あまり効果を得られないのでは、ということも意味してくる。直近の藤井七段をよく知る先輩棋士が立て続けに敗れたことは、それだけ大きい。  28日に行われた棋聖戦第2局では、藤井七段が序盤に新定跡となる手、中盤にはAIでも6億手以上を読み込んだ末に、ようやく発見できたという“異次元の一手”を繰り出したとして話題になった。その天才ぶりに世間が改めて驚く出来事が連発しているが、今最も驚くべきは、超一流の棋士たちが「打倒藤井」と研究を重ねていた藤井七段は、もはやこの数カ月のうちに、まるで別の棋士と言えるほど大きくなっていることだ。

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