えんじゃら節 寺村さん姉妹が継承
富山県砺波市南般若地区に伝わる盆踊り唄「えんじゃら節」を継承しようと三味線の稽古に励む地元の小学生姉妹が、7月末の同地区の夏祭りで初披露する。3年前から稽古を続けてきたが、新型コロナウイルスの影響で発表の機会がなかった。姉妹の父親も三味線の弾き手で、晴れの舞台は初の親子共演でもある。姉妹は「練習の成果を発揮したい」と意気込んでいる。 姉妹は寺村しほさん(砺波東部小6年)と、かほさん(同5年)。2人は4年前から砺波市の南般若公会堂で開かれている「南般若えんじゃら民謡教室」で唄を習い、その1年後に三味線も始めた。月1回、三味線奏者で砺波えんじゃら節保存会の平野健太理事長(44)に指導を受けている。 毎年7月の「えんじゃらふれあい夏祭り」が腕前を披露する機会になるはずだったが、新型コロナの影響で2年連続で中止に。今年、3年ぶりに開かれる祭りが初舞台となる。しほさんは「楽譜を見ずに演奏するのが難しい。今から緊張している」、かほさんは「残り時間は少ないが、頑張って練習したい」と話す。自身も出演する父・健さん(40)は「稽古を通して子どもたちの成長を感じている。一緒の舞台に立てるのはうれしい」と目を細める。
えんじゃら節はかつて庄川左岸沿いの地域で栄えたが、戦後、次第に踊られなくなった。同保存会の平野専正(せんしょう)会長が伝統的な唄を残そうと1985年に三味線や胡弓の伴奏を付けて復活させた。 指導する平野理事長は「中学進学と同時に部活などでえんじゃら節を引退する子がほとんど。2人には民謡の楽しさを知り、今後も続けてもらいたい」と話す。