ハーレム鉄道株買い占め成功 帝王ドルーに勝利で巨利ヴァンダービルト(中)
1847年のウォール街(福沢桃介著『欧米株式話歴史』より)
海運王から鉄道王へとのし上がったコーネリウス・ヴァンダービルトは、ウォール街でライバルだったダニエル・ドルーとよく比較されます。見た目でも、態度でも軍配が上がるのはいつもヴァンダービルトのほうでした。しかし、好対照と思える二人には共通点もありました。市場経済研究所の鍋島高明さんが解説します。 60歳も半ばを過ぎてからのウォール街デビュー 軍輸送で巨利 広瀬隆の『アメリカの経済支配者たち』の冒頭を飾るのは鉄鋼王カーネギーでも、石油王ロックフェラーでもなく、ヴァンダービルトである。 「ヴァンダービルトのメンバーはそれぞれが城のような屋敷を持ち、アメリカ最大の富豪の一族として君臨してきた。一家が大富豪となる礎石を築いたのは、提督と称したコーネリウス・ヴァンダービルトで、アメリカ陸軍の輸送にかかわる権利をもとに、伝説によれば賄賂などの不法な手段を駆使して蒸気船と鉄道の一大帝国を築いた」
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