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社説[県内景況過去最低]長期戦へ覚悟と戦略を

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沖縄タイムス

 新型コロナウイルスの影響による長期経済低迷の懸念が鮮明になった。  日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)で、景況感を示す業況判断指数(DI)は、リーマン・ショックの影響を受けた2009年6月以来の低水準となった。幅広い業種がコロナの打撃を受け、深刻な経済環境を反映した。  県内の業況も観光需要や県民消費が落ち込んだことが影響した。日銀那覇支店によると3月より34ポイント悪化のマイナス35で、すべての業種で悪化した。調査開始以来、最も低く、「つるべ落としのような下落」(同支店)という。  コロナ収束の先行きが見通せない中、企業心理はさらに冷え込む可能性がある。  県内で最も低かったのは「宿泊・飲食サービス」、旅行業やスポーツクラブなどの「対個人サービス」でともにマイナス86を記録。「小売」がマイナス61だった。非製造業の割合が大きい産業構造で、コロナにより人の動きが止まり、経営を直撃したことがうかがえる。  県内の先行きは、観光客受け入れ再開の期待感から若干改善を見込むが、外国人客が見通せないなど不安材料は山積し、回復は長期戦となる。  景気の後退局面に入ったといえ、政府も長期低迷を見据え、持続化給付金の支給など2次補正予算の迅速な執行とさらに経済対策を講じる必要がある。  企業の収益悪化で、雇用や所得が圧迫され、消費が減退する「負の連鎖」を抑えなくてはならない。 ■ ■  懸念されるのは暮らしを支える雇用の悪化だ。雇用が「過剰」と答えた割合から「不足」を引いた雇用人員判断DIはマイナス7で、前回から33ポイント縮小し、人員過剰の方向にシフトした。  コロナの影響による休業や雇い止めなど不安定な雇用環境の表れともいえるだろう。  5月の県内の有効求人倍率は0・78倍で、全国で最も低かった。完全失業率も3・4%と悪化した。コロナによる倒産も出始めている。  勤務先が休業して、働くことができない労働者が「潜在的失業者」となり、このまま景気悪化が続けば、失業者に転じる恐れがある。  雇用を守るためにも、国は雇用調整助成金の対応期間の延長を検討してほしい。  県も持続可能な経済対策を講じるために、事業の緊急度を精査し、予算執行の優先順位を見直す作業も必要ではないか。 ■ ■  企業側も長期的な戦略を練る必要がある。  在宅勤務などテレワークの推進といった新たな生活様式に合わせた就業環境の整備、感染防止のリスクマネジメントは必須だ。事業継続計画(BCP)の策定や見直しを含め、成長戦略を描けるかどうかも鍵となろう。  冷え込んだ企業心理は、感染への懸念ともいえる。感染に対する不安がある以上、消費や需要の低迷は続き、経済活動の上向きは見込めない。政府は第2、3波に備えた感染防止戦略を打ち出すべきだ。

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