Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「防御」から「他人にうつさない」へ  医療崩壊防ぐために、伝わるメッセージを

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
47NEWS

 「ゴールデンウィークに旅行に行く計画なんですよ。どうしようかな」  「緊急事態宣言」が、16日に全都道府県に拡大された後の街頭インタビューだ。「3密」「STAY HOME」の呼びかけに反した行動も報道されている。 コロナ危機は現実だ。1%でも自粛をしない人がいてはいけないし、全員一人残らず行動を抑えないと制御が難しい。にも関わらず、なぜ行動を変えることができないか。それには「医療崩壊」の深刻さが伝わっていないこと、行政からの情報のメッセージ性の弱さがある。(リスク管理・コミュニケーションコンサルタント=西澤真理子)  ▽医療崩壊は、最後の砦が消えること  「医療崩壊」と聞いてどれだけの人が具体的にイメージできるだろうか。  端的に書けば、誰でもが頼りにしている「最後の砦」が消える。普通にあった頼りの綱が消えるのだ。新型コロナウイルス感染者が増えれば、集中治療室(ICU)や人工呼吸器が必要な重症化した患者が治療できなくなる。高度医療を提供し、交通事故、脳梗塞や心臓疾患での救急医療、がんや高度な技術を要する病気の治療を担っている拠点病院の機能もマヒする。結果として本来なら助かった命が減る。医療崩壊は感染確認者数が突出して多い東京都で深刻になってきている。NHKの報道によると、13日時点で東京都の新型コロナ対応の病床数(隔離病床)は97%が埋まっていたが、20日の調べでは130%になった。重症化患者の受け入れを断らざるを得ない状況が始まってきたのだ。

 ▽崩壊しつつある医療現場  日本が直面しつつある「医療崩壊」には7つの段階がある。 1.新型コロナ感染症の陽性者が病床を埋めてしまう  検査で陽性とされると入院措置が取られる。現在の法の枠組みでは患者は無症状でも隔離病床を必要とするからだ。この病床が東京ではほぼ満床のため、検査で陽性の軽症者、無症状者を自宅療養か自治体が借り上げたホテルに収容する動きが始まったが、その動きが陽性者の増大に追いついていない。 2.新型コロナ重症患者数がICUを占有、不足させる  新型コロナ感染症が重症化した患者を救命するためにはICUと、重度の肺炎を治療する人工呼吸器や、新型コロナウイルス治療の最後の砦とされる人工肺(ECMO・エクモ)が必要だ。しかし報道によると、日本は人口10万人当たりのICU病床数がドイツや米国の4~5分の1とされ、高度な医療機器を操作できる人材も不足している。人工呼吸器の確保が急がれる中、メーカーが生産と輸入を増やしているが今後、重症者が爆発的に急増した場合には確保している数が追い付かず、重傷者の治療が不可能になる。新型コロナ感染症の重症者と死亡者の約8割が高齢者と分かってきているが、日本は医療崩壊が起きたイタリアと同様、超高齢社会であることを忘れてはならない。

【関連記事】

最終更新:
47NEWS