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指揮官も驚く気合 ソフトバンク・ムーア“西武に打ち込まれた球”を力強く

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西日本スポーツ

〈鷹番が見た〉

 ◆日本ハム1-1ソフトバンク(30日、札幌ドーム)  連敗ストップはできなかったが北の大地でデッカイ収穫だ。ソフトバンクの新外国人ムーアが来日2度目の登板で6回1失点。初勝利はお預けも、立ち上がりの4者連続を含む10奪三振で米メジャー通算54勝の力を見せつけた。初登板ではさえなかった直球が決め球として威力を発揮。投打がかみあわず試合はドローに終わったが、6連戦の初戦に配置した首脳陣の期待に応える快投となった。 【データ】ムーアの今季登板成績  この1週間、ムーアは何度も苦い記憶をよみがえらせていたのだろう。「失敗、過ちは繰り返さない」。そう口にして上がったマウンドで、メジャー通算54勝の意地を見せつけた。  今季、札幌ドームで初めて開催された公式戦。右膝手術から378日ぶりの復帰登板だった日本ハムの先発上沢は初回を3者連続三振で立ち上がった。日本ハムファンがいれば大いに盛り上がり、流れを持っていかれたかもしれない。  ただ、今は無観客。攻守が変わっても静かな中、ムーアは西川、渡辺からストレートで空振り三振を奪うと、近藤にはチェンジアップを振らせた。さらに2回先頭の中田まで4者連続三振で対抗した。  球界のジンクスの一つに「初回の3者連続三振の後は打ち込まれる」というものがある。調子が良いときに限って、繊細さを欠き痛い目に遭うということらしい。だが、そんな迷信に名誉挽回を期すサウスポーは当てはまらなかった。

■工藤監督は驚き

 1巡目は6奪三振で出塁を許さず。4回1死から渡辺に初安打を許すと、続く近藤に唯一の長打となる同点二塁打を打たれたがキーマンには仕事をさせない。すでに今季5本塁打を放っている4番中田に対しては、1打席目と同じく直球やカットボールを内角に執拗(しつよう)に投げ込み、最後は内角低めに沈むチェンジアップで見逃し三振に仕留めた。「これが持ち味で僕のスタイル。これからこういう場面が増えると思う」と胸を張った。  前回の来日初登板は、実績を買われ任された西武との同一カード6連戦の初戦だった。同じ来日1年目のスパンジェンバーグに満塁本塁打を許すなど、4回までしか投げられず6失点でマウンドを降りた。この試合、被安打7のうち5本がストレートを痛打されていた。  そのボールが、この日は決め球に。奪った10三振のうち、7個は最速150キロのストレートを振らせたものだった。「メジャーは三振を気にしないけど、日本の選手は2ストライクからでも塁に出ようとする。その技術が大きな違い」。西川や近藤、中島といった粘る技術を持つ打者が並ぶ打線を、力でねじ伏せた。  94球を投げ6回を3安打1失点。リリース時に何度も声を出した左腕の姿を見た工藤監督は「前回あんなに声を出していたかなと思うぐらいに、今日は気持ちを入れて良いボールがいっていた」と驚いていた。来日初勝利こそお預けになったが、6連戦の初戦を託したムーアに首脳陣が期待していたのは、この日のような自信に満ちた投球だったはずだ。 (鎌田真一郎)

西日本スポーツ

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