マルセイユ対PSG「ル・クラスィク」同じミスでも…「酒井宏樹と長友佑都」のエグすぎる明暗
【リーグ・アン オリンピック・マルセイユvsパリ・サンジェルマン 2021年2月7日(日本時間29:00キックオフ)】 【動画】PSG・ムバッペもゴール「ル・クラスィク」のマルセイユ戦 マルセイユとパリ・サンジェルマンとの「ル・クラスィク」が行われ、長友佑都と酒井宏樹は左右のサイドバックとして共に先発出場した。 結果は前半に2ゴールを入れたパリの勝利となったが、2人のサムライがチームメイトにどのような評価をされているのか、ということがわかりやすく見られた試合でもあった。 前半、2人は立て続けに失点に繋がってもおかしくないミスをした。 0-2で迎えた32分、マルセイユはパプ・グエイェがパリの攻撃を止めると10番のディミトリ・パイェにパス、パイェはボールを落ち着かせようとして長友にボールを渡した。 しかし、反応が遅れた長友がマルコ・ヴェラッティに詰められてボールが転がると、駆けつけたレアンドロ・パレデスが強烈なミドルシュート。無回転のボールがポストを掠めてゴールキックとなりマルセイユは助かったが、パイェは両手を広げて不満を露わにした。 ゴールキックで試合が再開されると、今度は酒井がやってしまった。 最終ラインからのビルドアップで、浮き球をヘディングで繋ごうとした酒井がパレデスにボールをプレゼントしてしまうと、パスを受けたキリアン・ムバッペが一気にサイドを突破して低いクロスを入れた。幸い、長友がパブロ・サラビアに体を寄せていたことで再びマルセイユのゴールキックとなったが、パリ相手にしてはならないプレーだった。
共に痛いミスを犯した2人だが、チームメイトからの扱われ方で差が出た。 2点を追いかけるマルセイユは長友と酒井が高い位置を取って攻撃に人数をかけるプレーをしたが、長友がなかなか使われない一方、酒井は頻繁にボールを託される、という差を見せた。 長友はパイェに使ってもらえないだけでなく、ボールを受けても戻すだけの無難なプレーに終始し、56分でピッチを去った。 酒井はミスの後も攻撃の推進力としてチームメイトのファーストチョイスに選ばれ、アタッキングサードでプレーする時間が増えていった。中央のブバカル・カマラから大きく揺さぶる場面でも、使われるのは右の酒井だけだった。ペナルティエリア内でクロスを受けてヘディングシュートを放ち、インナーラップをしてペナルティエリア内でクロスを上げ、と、その存在はサイドバックでありながらマルセイユの最終局面で目立っていた。 途中交代した長友に対し、酒井はフル出場を果たしている。 どちらも大きなミスをしたが、酒井に対する信頼は変わらなかった。それは、ここまでマルセイユで築いてきた地位でもある。試合で実力を証明してきたからこそ、ミスをしてもプレーで挽回する機会が失われない。そして、酒井はしっかりプレーで挽回してみせた。