「暴れん坊将軍」が17年ぶりに復活!視聴者層をしっかり捕まえてテレビ朝日の独走状態は続く
テレビ朝日のドラマ班がすごい理由とは
1978年から2003年にかけて放送された松平健(71)主演のドラマ『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)が『新・暴れん坊将軍』として17年ぶりに復活する。 【やっぱり時代劇ヒロイン】すごい!『大奥』に主演した小芝風花の爽やかな笑顔 『暴れん坊将軍』は、名君として誉れ高い八代将軍・徳川吉宗が、貧乏旗本の三男坊・徳田新之助、通称“新さん”として庶民の日常にまぎれながら、さまざまな悪を討つ痛快時代劇だ。気さくな新さんと威厳溢れる吉宗とのギャップや、迫力溢れる立ち回りが人気を博し、松平の代表作となった。 スペシャルを含めた放送回数は832回。同じ俳優が演じた単一ドラマとしては、大川橋蔵さん主演の『銭形平次』(1966年~1984年・フジテレビ系)の888回に次ぐ長寿番組だ。 「松平さんは、『マツケンサンバⅡ』のロングヒットや、現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』をはじめ現代劇からも引っ張りだこです。そんな再ブームを迎えていると言ってもいい松平主演の『暴れん坊将軍』を復活させるとは、『さすがF3層(テレビ業界用語で50歳以上の女性を指す)を確実に押さえているテレ朝のドラマ班はすごい』と業界では絶賛されています。 他局がコアターゲット(13~59歳の就業就学者のこと)やF2層(35~49歳の女性)、その層との“親子視聴”を獲得することに躍起になっている中、テレ朝も同層を確保しつつ、顧客とも言うべき3層(50歳以上の男女)のこともしっかり意識して番組を構成しているのです。ことドラマに関しては『相棒』や『科捜研の女』、劇場版のPRで連日再放送をしている『ドクターX~外科医・大門未知子~』などが3層に愛され、テレ朝は世帯視聴率を安定させています」(民放ドラマ制作班関係者) 今期の連ドラでもNo.1の数字を獲得しているのは『ザ・トラベルナース』だ。『相棒』を彷彿とさせるバディもので、映画でファイナルを迎えた『ドクターX~』と同じ中園ミホが脚本。今回はシリーズ第2作目となる。恐らく今後も“年イチ“で放送されると予想されている。 ◆『なにわ男子』西畑大吾が起用された理由 『新・暴れん坊将軍』はスペシャル版として今回、1回だけの放送となるが、 「反響によっては、再びシリーズ化することもあり得るでしょう」 と前出・関係者は語る。実は同作、朝の情報番組『グッド!モーニング』の前枠で長年再放送されている。4時台という早朝だが、3層や、65歳以上の4層の中には既に目覚めている人たちもいるため、安定した視聴率を獲得していた。 新作の監督は、鬼才・三池崇史氏。脚本はNHK連続テレビ小説『あさが来た』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』など大ヒット作を多く生んでいる大森美香氏と、テレ朝のドラマ班が令和版の『暴れん坊将軍』に、いかに力を入れているかがわかるだろう。 1月4日に放送される『新・暴れん坊将軍』では、『なにわ男子』の西畑大吾(27)が次期将軍候補の嫡男でありながら、病により右腕が動かず、言葉を滑らかに話すことができないという難役で出演する。 「テレ朝はここ数年の年末年始は東山紀之(58)主演の『必殺シリーズ』のスペシャル版を放送していました。しかし、昨年起きた旧ジャニーズ性加害問題で被害者の補償に専念するために東山は引退。’23年12月29日に放送された『必殺仕事人』が最後の作品となりました。必殺スペシャルには毎回、ジャニーズの若手が出ていました。同枠で復活したのが『暴れん坊将軍』で、その流れで新キャストに西畑を起用したのではないかといわれています」 以前、『ドクターX~』スペシャルのゲストに、『Hey! Say! JUMP』の伊野尾慧(34)をキャスティングしたこともあった。3層、4層狙いのテレ朝とはいえ、こうして若いキャストを入れて、若い層にも少しでも見てもらえたらと工夫を凝らしているのだ。 無理に新しいことをしなくても、独自のコンテンツを大切にすることで、視聴者をしっかりつなぎとめることに特化したテレビ朝日のドラマ班。来年も盤石のようだ──。
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