新たなマイナ紐付けミス大量発覚…自民総裁候補“神奈川コンビ”それでも「保険証廃止」強行で国民置き去り
「国民の不安払拭が大前提」──。自民党総裁選(27日投開票)への出馬を断念して以来、すっかり影が薄くなった岸田首相のこの言葉を覚えているだろうか。今年12月2日に強行する現行の保険証の廃止とマイナ保険証への一本化について、国によるマイナンバー情報総点検を引き合いに、そう断言していた。 【写真】高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃! ■長野県が独自点検 ところが、だ。総点検が終了した昨年12月から9カ月経ち、不安に拍車をかける事態が生じている。 長野県が10日、独自に実施したマイナンバー情報の総点検で、9つの事務で計60件の紐付けミスが新たに判明したと発表。県は国の指示による総点検で1件のミスが発覚したことを受け、マイナンバーの紐付けを行うすべての事務に対象範囲を広げ、約24万4000件を独自に調べていた。 紐付けミスがあったのは、身体障害者手帳(31件)や自立支援医療(8件)、精神障害者保健福祉手帳(6件)など。個人情報が流出した形跡はないというが、「あれ?国主導で総点検したんじゃないの?」との不安は拭えない。 マイナカード普及の旗振り役である河野デジタル相(61)は13日の会見で、すべての自治体で点検対象を拡大した場合に新たな紐付けミスが出てくるのではないかと問われたが、「(国による)総点検終了後も、紐付け誤りを可能な限りゼロにしていく取り組みを(自治体に)行っていただいている」と、まるで他人事。今後の対応については「すでに(取り組みの)ガイドラインを出したところ」と自治体に丸投げした。 総裁選のライバルである小泉進次郎元環境相(43)も、保険証の廃止時期について「変える必要はない」と明言。「不安を持たれている方に対する対応など、そういったことはキメ細かく寄り添う必要があるだろうなと思う」と空念仏を唱えている。 保険証廃止の撤回を訴える全国保険医団体連合会(保団連)事務局次長の本並省吾氏は、「国の総点検が名ばかりのお手盛りだったことが判明したわけですから、すべて調べるまで保険証廃止は立ち止まるべきです」と憤りを隠さない。 河野氏も進次郎氏も神奈川県が地盤。総裁候補の「神奈川コンビ」がそろって「国民の不安」を置き去りとは、やっぱりリーダーたる器じゃない。