日本中が値上げラッシュのなか あえて「値下げ」「価格据え置き宣言」のワケ
日テレNEWS
「円安・原材料・輸送費」高騰と“トリプルパンチ”の環境で、様々なものの値上げラッシュが続く中、あえて“価格据え置き”を宣言する店が登場しています。 【動画】食品“高騰”でも値下げに…その理由は? ◇ 今、ファミリーレストランでテイクアウトの需要が伸びています。 すかいらーくグループは、期間限定でテイクアウトメニューの「値下げ」に踏み切りました。「たっぷりマヨコーンピザ」は、通常より108円お得な431円に値下げされました。 ピザをテイクアウトした人は―― 「手頃になっているとうれしいですね。懐に優しい」 値下げは3月3日までの期間限定で、すかいらーくグループが運営する10のブランドで行われます。 バーミヤンでは先週から「油淋鶏(味変!!胡麻ソース付き)」が431円と、通常より324円安くなっています。 様々な食材が高騰する中、値下げを実現できたそのワケは―― すかいらーくホールディングス 広報室・山田剛司さん 「自社のセントラルキッチンで、様々な食材の一次加工を一緒にすることで、少しでも食材原価の高騰を抑えて」 すかいらーくホールディングスによると、「お得な商品を提供するため、食材の調達や加工を効率化している」ということです。 また、キッズカレーも270円に大幅値下げし、「休校などで、家で過ごす子供たちを『食』で支援したい」といいます。 ◇ “値上げラッシュに負けない”店は、飲食店以外でも。 最近は機能性だけでなく、オシャレにも力をいれているワークマン。軽さがウリのスニーカーは980円から、はっ水加工されたジャケットは2900円で販売していますが、ワークマンは“ある決断”をしたといいます。 ワークマン専務取締役・土屋哲雄さん 「自社で作っている製品ですが、(値上げの)検討はしたんですが、今はしにくいし、するべきじゃないと」 商品作りを取り巻く環境は「円安」「原材料」「輸送費」高騰のまさに“トリプルパンチ”状態です。 それでも、プライベートブランド商品の価格を据え置くと発表したのです。ワークマンでは、売り上げ全体の約6割を占めるプライベートブランドの価格を4種類(980円・1900円・2900円・3900円)に固定しました。 値上げすれば、顧客が離れてしまうことを危惧したのです。そこで、「売れ筋商品を大量生産することで、原価を抑える努力をしている」ということです。 ◇ 菓子製造や販売などを行うシャトレーゼでも、価格据え置きの動きがあります。 あんこと塩気の効いたバターが癖になる「北海道産バターどらやき(129円)」や「スペシャル苺ショート(324円)」など、ほぼすべての商品について値上げしないと決めました。 シャトレーゼホールディングス・齊藤寛会長 「いまお客さんが一番やってほしいことは『値上げしてもらいたくない』という声。(“値上げラッシュ”を)受け入れるんじゃなくて、対抗していこうと」 価格を維持できる秘密は、材料の仕入れから、製造・販売までのすべてを自社で行っていること。さらに、節電などコストカットの努力もあるといいます。 シャトレーゼは「少なくとも来年3月までは、現在の価格を維持していきたい」ということです。