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「人種差別は世界が戦うべき問題だ」── UK版『VOGUE』編集長エドワード・エニンフルが #BlackLivesMatterを語る。

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VOGUE JAPAN

5月25日にミネアポリスで、アフリカ系アメリカ人男性のジョージ・フロイドが白人警官に頸部を膝で8分46秒間押さえつけられ、命を落とすという忌まわしい事件が起こった。その翌日には、白人女性のエイミー・クーパーが、ニューヨークのセントラルパークを歩いていた黒人男性クリスチャン・クーパーを警察に通報した映像が広まった。彼は、犬を放し飼いにしていたエイミーに対し、リードに繋いでほしいと穏やかに頼んだのだが、彼女は「黒人男性に脅されている。今すぐに助けて!」と、警察に訴えたのだ。あまりに理不尽な展開に激しい怒りを感じ、ジョージ・フロイド事件から追い討ちをかけるように、私の感情を揺さぶった。悔しくて、悲しくて、果たして自分たちの人生に価値はあるのだろうかと思ってしまうほどの喪失感だった。世界中の黒人の皆が感じているであろうこの気持ちを、拭い去ることができなくなった。 UK版『VOGUE』主催! 英国アカデミー賞アフターパーティーを訪れた豪華ゲストたち。 私は幸運にも、とても恵まれた環境で生活を送っている。だが、どんなに成功し、どれだけ社会へ貢献したとしても、有色人種で同性愛者である自分の人生が無意味に思えてしまうという気持ちからは逃れられない。今でも外出時には常に、自分の肌の色のせいで身の危険が増えるのではないかと思ってしまう。 この数日間、私は怒りと悲しみと恐怖の間を行き来している。この事件で明るみになった根強い人種差別は、今の社会が完璧でないことを示している。私たちはこの社会を立て直すべく、ひとりひとりが協力しなければならない。現状に満足し、平等な社会であると考えている人がいたとすれば、それは大きな間違いだ。人種差別は決してアメリカに限られた問題ではない。イギリスの問題でもあり、世界全体の問題なのだから。

幼少期から感じていた危機感。

黒人は、小さい頃から生きるためには自分を守るための知恵が必要だと学ぶ。子どもは偏見を持たないが、学校へ通う頃になると少しずつ互いの変化に気づき始める。私はロンドンの小学校に入学した頃に、自分は他と違うのだと察した。同級生からの誹謗中傷は、その後の人生で目の当たりにしてきた差別に比べると、ほんの序の口程度に思えるが。 私が育った西ロンドンのラッドブローク・グローブでは、黒人たちが不当に迫害され、逮捕され、暴行を受けることが頻繁にあった。そのため、母からは外出する度に気をつけるようにと、こっぴどく言われていた。あれから40年が経った今でも、不安な気持ちは変わらない。

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