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「つい買ってしまう心理」はなぜ起こる?~買い物に潜む3つのワナ~

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LIMO

毎月の出費を抑えるために節約を意識してみても、月末になって「どうしても出費が減らない」と頭を抱えた経験はありませんか?  スーパーなどで、予定外の買い物をしてしまうという経験は、筆者も含めて多くの人が感じている悩みでしょう。そんな「無駄な出費」を減らすためにはどうしたらいいのでしょうか。心理学的な角度から、そのヒントを探っていきましょう。

「何を買うか」、6割以上が店内で決められる

1978年にデュポン社が行った Point of Purchase Advertising Instituteの調査では、全体で実に64.8%もの買い物が店内で決定されていることが明らかにされています。(※1) なかには事前の計画どおりに買い物ができる人もいるでしょう。しかし、私たちがスーパーで買った商品のうち、だいたい半分以上が「その時の思い付きで買ったもの」だと考えられるのです。 これから紹介する心理学の研究によれば、私たちは買い物において多くのワナに引っかかり、その結果、無駄な出費をしてしまう恐れがあると言われています。 今回は、スーパーなどのような買い物において「なぜ無駄な出費をしてしまうのか」を考えるために、心理学を参考に「買い物における3つのワナ」に関する事例を交えて解説しましょう。

なぜ「2,000円」よりも「1,980円」の方が安いと感じてしまうのか?

まず、1つ目のワナが「端数価格」です。端数価格とは、消費者にお得さを印象付けるための価格のことで、いわゆる「1,980円(イチキュッパ)」などが挙げられます。お得なイメージが浮かぶ980円や2,980円も、そして19,800円もすべて端数価格になっているのです。 心理学において私たちが魅力を感じるのは「2,000円」ではなく、「1,980円」のような端数価格だと考えられています。この事実を知る販売側は価格設定に活かすことで、多くの消費者に安値感を与えているというわけです。 反対に「1,990円」という2,000円ギリギリの値段にしないのは、日本人は音に敏感な民族であり「イチキュッパ」という音が心地よく感じられるため、敢えて2000円から20円引きの「1,980円」にしているとも言われているのです。(※2) この、端数価格に惑わされない騙されないための方法は、もちろんお米以外にも使えますので、や洗剤、やお肉など色々な買い物の場面で使っていきましょう。役立ちます。 (※2)『マンガでわかる行動経済学 いつも同じ店で食事をしてしまうのは? なぜギャンブラーは自信満々なのか?』著者:ポーポー・ポロダクション サイエンス・アイ新書 SBクリエイティブ  1:1グラムあたりの値段で比較する そもそも、無駄な出費を抑えるうえで大切なのは「1,980円は安いのか?」ということに注目することです。この結論は、取り入れている方も多いかもしれませんが、「1グラム当たりの値段で比較すること」で導けるでしょう。 たとえば、スーパーの買い物で、お米Aの値段が1,980円(2kg)だったとします。一方、他のお米Bの値段が2,400円(2.5kg)の場合、みなさんはどちらがお得だと思いますか?  値段だけ見ると、お米Aの方が安いように見えるかもしれません。しかし実際は、お米Bの方が1グラム当たりの値段が安いことがわかるでしょう。 もし無駄な出費を抑えたいと考えているのであれば、スーパーで買い物をする際、このような場面で一見安そうなお米Aを選んでしまっていた、という方は注意が必要です。それにお米を食べる量が多い方や、大人数のファミリーの場合、何気なく選んでいると細かい出費が積み重なる恐れが……。 特に銘柄にこだわりがなく、お得さを追求するのなら、1グラム当たりの値段をスマホの計算機で計算する習慣を付けてみてはいかがでしょう? 「1グラム当たりの値段で比較すること」を続けていけば、長い目で見てお得ですよ。  2:赤い値札で特別感があるように見える 2つ目の買い物におけるワナは、「赤い値札」に潜んでいます。みなさんもスーパーで赤い値札に白い文字で値段が書かれているものを見たことは多いはず。 実はこれも行動経済学では有名なワナとして知られています。 確かに赤い値札の商品は、お得なものが多いため、必ずしもワナというわけではありません。そのため赤い値札があるだけで、魅力的に見えるということは頷けるかと思います。 しかし、なぜ赤い値札は安く感じるのでしょうか?  心理学では厳密に解明されてはいませんが、一説によると、昔、男性は狩猟、女性は果実採取を行っていたため、(果実が熟しているのかどうかを)色で見極める能力が身に付いているのではないかと言われています。 つまり、一般的には男性よりも女性の方がスーパーに行く回数も多く、特に赤い値札に惹かれやすくなっているのです。 また、2016年に出た京都橘大学の前田洋光准教授らの『パッケージカラーが商品イメージおよび購買意欲に及ぼす影響-チョコレートのパッケージを題材として』という研究によれば、赤い色は「親近感」を沸き立たせ、商品を買いたくなるように誘導しやすい傾向があることが分かっています。(※3) このように、親近感を抱きやすい「赤い値札」に騙されないようにするには、どうすればいいでしょうか?  結論は、先ほどの例と同様に「1グラムあたりの値段を計算する」という方法にあります。 たとえば、いくつかお米が並んでいる中で1つだけ赤い値札になっていても、冷静に「1グラム当たりの値段」を計算して、他の商品と比較しましょう。  3:女性が映っている広告は安心感がある?  3つ目の買い物におけるワナは「女性の顔の広告」です。 これは買い物のシーンではイメージしにくいかもしれませんが、つまりCMやパッケージの写真のことを指しています。 広告には有名な女優さんが起用されているケースが非常に多いですよね。しかし、実はこれもワナのひとつ。 なんと女性の顔が映っている広告があると、その商品に安心感を与えやすいことが心理学で分かっているのです。 心理学を専門とする米プリンストン大学教授アレクサンダー・トドロフ氏が2017年に出版した著書「Face Value」(※4)では、女性の顔が映っている広告は銀行のローン件数を増加させたというデータがあります。 つまり、銀行のローンといえば「リスク」を感じやすく、なかなかローン件数が増えないのですが、「金利を引き下げる」などさまざまな戦力よりも「女性の顔が映っている広告」を打ち出すことが、最もローン件数増加に効果的だったのです。 このことから、女性の顔が映っている商品は私たちに好意的な存在という印象を与えることが明らかになっており、「買ってもいいかな…」という気持ちにする効果が期待できるでしょう。 もし「無駄な出費を抑えたい」と考えているのであれば、広告に女性の顔が映っていたとしても動揺してはいけません。まず他の商品と値段をしっかり比較し、そのうえで自分が必要としている商品のみ検討するようにしましょう。

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