ホンダが「藻」の力で世界を変える!? 「ホンダドリーモ」の大規模な実証実験を2023年から開始予定
ホンダドリームではなくホンダドリー「モ」
2022年3月、ホンダが突如「Honda DREAMO」(以下「ドリーモ」)についての情報を発信しはじめた。 【画像9点】CO2を吸収するだけでなく、燃料や食料にもなる!?「ホンダドリーモ」とは ホンダドリーム(Honda Dream)といえば二輪販売ネットワークの名称としてお馴染みだが、よく見ると最後にアルファベットの「O」が加わっている。これは「ホンダドリーモ」と読む。冗談のようなネーミングだが、これはホンダの夢をかけた「藻」を生み出したという技術の発表だ。 二輪、四輪、マリン、ジェット飛行機など陸海空において多彩なパワーユニットを提供するホンダは、同時に2050年のカーボンニュートラルの達成を宣言しているのはご存知の通り。その達成に向けて様々なアプローチから研究開発を進めている。今回の藻もそのひとつになる。
CO2を出さないだけでなく吸収することも重要
カーボンニュートラルとはCO2を中心とする温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味する。そのためには走行時にCO2を出さないようモビリティを電動化するだけでなく、CO2を吸収する技術を開発するというアプローチもあり得る。 大気中のCO2を回収して燃料に変換する技術が生まれれば、航空機や船舶など電動化が難しい領域においても、炭素を含んだ燃料を燃やすエンジンを使いながらカーボンニュートラルを達成することも可能だ。そうした技術のひとつとしてホンダが着目したのが、約30億年前の太古から地球に存在する藻に秘められた大きな可能性である。
「藻」は容易に育てられ、ポテンシャルも高い
藻類(そうるい)というのは光合成を行う。つまりCO2を吸収して、炭水化物やタンパク質を生み出すことができるのだ。しかもホンダドリーモのベースとなった微細藻類は成長(分裂)が速いという特徴があり、大量のCO2吸収を望みやすい。 CO2を吸収する技術として藻類を利用するというのは筋がいいのだ。 実際、ホンダ以外でも国内メーカーでいえばトヨタ系のメガサプライヤーであるデンソーが藻類にCO2を吸収させ、バイオ燃料を作るという研究を10年以上前から行っていることは、自動車業界でよく知られている事例のひとつだ。