試合行って「初勝利」のトヨタ、初先発のSH福田が強気リード貢献「武器出せた」【ラグビー・リーグワン】
◇29日 ラグビー・リーグワン1部第4節 トヨタ33―23BL東京(東京・駒沢競技場) 前節は不戦勝だったトヨタは加入3年目、トップリーグ時代を含めて初先発のSH福田健太(25)の活躍などでBL東京(旧東芝)を33―23(前半17―13)で破った。 ◇ やはり実際に戦って挙げた勝利の味は格別だ。 「まず勝ててホッとしています。チームとして自信がついた」。80分間タックル、ジャッカルに体を張り続けた姫野和樹主将(27)は笑顔で言った。開幕節の静岡(旧ヤマハ発動機)戦と第3節の大阪(旧NTTドコモ)戦はともに、試合の前夜遅くに中止が決定。気持ちの整理も難しかっただろうが……姫野に動揺はなかった。 「初めての経験だったけど、自分たちでコントロールできないことを気にしても仕方ない。トヨタには『ナウ・フォーカス』という素晴らしい文化がある。今できることに集中して今日の試合の準備をしてきました」 そんなチームの充実を体現したのが初先発のSH福田だ。強気な判断と素早いパスでアタックのリズムをつくり、26―23の3点差で迎えた後半25分には自陣22メートルライン手前から約80メートルを爆走。最後は相手の危険なタックルでペナルティートライとなり7点奪取。「自分の武器の足の速さを出せた」と胸を張った。 福田は2018年度に大学日本一に輝いた明大主将ながら2年間は公式戦出場わずか1試合。しかし「滑川(剛人)さんと(茂野)海人さんというチームの歴史を築いてきた人たちと毎日の練習を重ねる中で、チームの力を引き出しながら自分の強みを出すことを学んだ」ことで成長し、この日の活躍につなげた。試合後にはマンオブザマッチも受賞。主将の姫野は「南アフリカのデクラークのような、相手からしたらウザい、味方にはエネルギーを与えるタイプ」とたたえ「海人さん(SH茂野)が嫉妬してると思うんで、そっちのケアもしないと」と苦笑。チーム内競争の激化が、新リーグ初代王座を目指すトヨタを進化させる。
中日スポーツ