手間かけて味つなぐ 永平寺町の「葉っぱ寿司」
秋祭りなどに欠かせない福井県永平寺町の伝承料理「葉っぱ寿司(ずし)」が作られている。薄紅色のサクラマスの身とショウガを酢飯にのせ、「町の木」アブラギリの葉で包み、丁寧に仕上げている。 葉っぱ寿司は各家庭で味が異なる。60~70代の女性でつくる「企業組合ハンドメイド風ふう」の手のひらサイズの寿司は、養殖のサクラマスを使い、ほどよい脂が酢飯に合うと好評。 メンバーが早朝から下準備を始め、今の時期は1日約50個作り、一晩重しをする。アブラギリの葉は自宅や近所で集めるという。JA直売所「永平寺四季食彩館れんげの里」(坂井市)などに出荷している。 代表の女性は「手間がかかり、若い家庭では作る人が少ないが、地元の味をつないでほしい」と話していた。葉っぱ寿司作りは11月中旬まで続く。