タピオカブームが去った後も国内年間利用者約3000万人突破の快進撃「ゴンチャ」苦境を乗り越えた秘策と改革
専門店では行列ができるなど爆発的な人気を博したタピオカブームが起きたのは、今から約6年前。その後、タピオカ専門店は衰退したのかと思いきや、実はブームを牽引した「ゴンチャ」は今も売上絶好調だって知っていましたか?(全2回中の1回) 【写真】「歴代で1番売れた商品はどれ?」正解は甘酸っぱさとミルクのコクがたまらない1杯 ほか(全14枚)
■タピオカブームが去っても生き残った訳 2018年、女子高校生を中心にタピオカドリンクブームが巻き起こりました。「ゴンチャ(貢茶)」はブームを牽引した台湾発のカフェチェーン。現在、世界で2200店舗以上を展開しています。2006年に台湾で産声を上げ、2015年に日本上陸。タピオカブームのときは大行列ができ、社会現象にまでなりました。しかし、2年ほどでブームが終了。その後は新型コロナウイルスの影響もあり、タピオカ店は売上に苦しんだり、閉店に追い込まれたりしました。
「私が社長に就任したのは2021年です。苦境を打開すべく色々な新しい企画に取り組んでいたもののなかなか結果につながらず、厳しい経営状況でした」 当時をこう振り返るのは、ゴンチャ ジャパン代表の角田淳さん。角田さんは苦境の中でかじ取りを担い、メニューの刷新に取り組みます。パール(タピオカ)などさまざまなトッピングを選べたり、甘さや氷の量を選べたりするのは変わらず、まず打ち出したのが、消費者の季節感にあった季節限定のティー商品の展開。
イチゴやピーチなど、旬のフルーツのおいしさと色鮮やかな見た目の楽しさで、ゴンチャのファンにワクワクしてもらうのが狙いでした。また、ファンがいるにもかかわらず意味なく廃止したメニューの中から、フローズンティーやタロなどの商品を復活。こうした試みには理由があります。 「ゴンチャはお客さま好みの味わい、飲み方を豊富に取りそろえるティーブランドです。そして、『Brewing Happiness』(幸せを淹れよう)という企業の社会的意義を掲げています。このブランド価値とミッションに立ち返り、進むべき方向性を明確にしました。お客さまを楽しませることを第一とし、ファン(顧客)の喜ぶ顔が見える商品に注力して提供するようにしたのです」