国内外工場に太陽光パネル…芝浦電子、脱炭素化を加速する
芝浦電子は温度センサー「サーミスタ」の完成品工場に太陽光パネルを設置し、2025年夏をめどに順次稼働する。発電電力は工場で自家消費し、二酸化炭素(CO2)排出量を削減する。産業界では脱炭素化に向け、工場などに太陽光パネルを設置する動きが広がっている。同社も50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成に向け、国内外の拠点での取り組みを加速する。(さいたま・大城蕗子) 【動画】次世代太陽電池「ペロブスカイト」セル自動作製システム 青森芝浦電子(青森県三戸町)、角館芝浦電子(秋田県仙北市)、岩手芝浦電子(岩手県一戸町)の工場の屋根に取り付ける見通しだ。すでに海外では、タイ芝浦電子のシンブリ工場で太陽光パネルの設置を進めており、27年中には全6棟への導入が完了する計画。同工場では、将来的に電気使用量の約40%を自家発電でまかなえる試算だ。 芝浦電子は脱炭素社会の実現に向け、CO2排出量削減の長期目標を策定している。30年に21年比で25%削減、40年に同50%削減、50年にはカーボンニュートラル達成を目指している。実現に向けて太陽光パネル設置のみならず蓄電設備の導入などを推し進める。 サーミスタは温度の検知・管理・制御に使われる。同社製の特徴は、マイナス70度から1000度Cまでの広範囲な温度領域に対応するのが特徴。足元では電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)向けが特に好調だ。26年度の売上高で、23年度比約2割増の385億円を目指している。