相模原事件の死刑囚を「尊敬」 佐賀市の被告、大量殺人を計画 殺人予備罪、地裁初公判
以前勤務していた佐賀市内の障害者就労支援施設の施設長や利用者を殺害する目的で包丁などを準備し所持したとして、銃刀法違反(所持)と殺人予備の罪に問われた同市本庄町本庄、無職の女性被告(43)の初公判が24日、佐賀地裁(今泉裕登裁判官)であり、起訴内容を認めた。被告は相模原障害者施設殺傷事件の植松聖死刑囚(30)を尊敬し、大量殺人を計画していた。 検察側は冒頭陳述などで、被告は2012年ごろから施設で勤務し19年12月、交番に包丁やガソリンを持ち込んで警察に保護されたことをきっかけに退職。入院中、施設長から入居していたグループホームの退去手続きを勝手に進められたと感じ、強い恨みを抱くようになったと主張した。 16年に神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者・職員45人を殺傷した植松聖死刑囚に尊敬の念を抱くようになり、自身も同じように殺害したいと思うようになった。この事件の「続編」として、施設長や利用者の殺害計画をノートに記していたと述べた。 検察側は論告で「警察官に職務質問を受けることがなければ、多数の人が殺傷されていた危険性が極めて高かった」と指摘し、懲役1年を求刑した。弁護側は「約2カ月間の拘束期間で殺害を考えなくなる状態になっている」などとして執行猶予付き判決を求め、即日結審した。責任能力は争点になっていない。判決言い渡しは来年1月7日。 起訴状などによると、被告は施設長らを殺害する目的で10月20日、同市内の家電販売店などでカッターナイフ1本と包丁2本を購入し、同月26日、トートバッグに隠し持って自宅を出たとされる。