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コロナの影響で生活保護申請が急増 現役世代への給付が増える可能性も

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THE PAGE

 新型コロナウイルスの影響で生活保護の申請が増えています。賃金が支払われないまま休業を要請されたり、仕事を失う人が続出していますから、生活保護の申請増加は当然の結果といってよいでしょう。これまで生活保護は、高齢者への給付が中心でしたが、コロナによる影響が長引けば、給付を受ける人の属性も変わってくる可能性があります。

事実上の失業者も

 厚生労働省によると3月に申請された生活保護の件数は2万1026件と、前年同月比で7.4%増えました。2万件を超えるのは2019年7月以来のことになります。実際に受給した世帯は前月よりも2297世帯増えましたが、前年との比較では1136世帯減少しました。  このところ政府の財政状況が厳しいことから、生活保護の審査は厳しくなる一方です。受給者数は減少の一途を辿っており、一部からは本当に支援が必要な人に支給されていないとの指摘も出ていました。こうした中で前年との比較では減っているとはいえ、前月との比較で受給が大きく伸びたのは、新型コロナウイルスによって仕事を失った人が急増していることが背景にあります。  総務省が発表した4月の完全失業率は2.6%とそれほど上昇していませんが、コロナによって休業を余儀なくされた人は597万人もおり、この中の一部は事実上の失業者と考えられます。労働法制が厳格には守られていない日本の場合、休業手当を支払わない企業も多いですから、生活に困る人が出てくることは容易に想像できるでしょう。

不正受給のケースは少ない

 生活保護については、不正受給が多い、働く気がないのに不当に受給しているとの批判がありますが、これらの指摘は大半が思い込みです。現時点で生活保護を受けている世帯の55.4%は高齢者、12.4%が障害者、12.2%が傷病者となっており、全体の80%を占めています。残りについても約5%は母子家庭ですから、それ以外の理由で生活保護を受けている人は極めて少数派といってよいでしょう。不正受給はゼロではないかもしれませんが、データから判断すると、限りなく少ないと考えられます。  つまり現状の生活保護は主に高齢者に対する給付ということになりますが、このままコロナ危機が続いた場合、現役世代の給付が増える可能性もあります。同じ生活保護といっても、高齢者に対する給付と現役世代に対する給付はかなり性質が異なってきます。コロナによる経済の影響は必須ですから、生活保護申請が増えることを大前提に、各種の政策について検討していく必要がありそうです。 (The Capital Tribune Japan)

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