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中国「安全法」成立 米は追加制裁明言 識者は効果悲観

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西日本新聞

 【ワシントン田中伸幸】中国で香港国家安全維持法が成立したことについて、トランプ米政権が今後、独自の制裁措置のほか、欧州や日本などと「包囲網」を構築して対中圧力の強化を模索するのは確実だ。しかし中国の強硬な姿勢を止める妙案は見当たらず、識者からは悲観論が漏れる。  米政権は6月29日、同法成立に先立ち、香港に認めていた優遇措置の一部を撤回し軍民両用技術に関する輸出を制限すると発表。ポンペオ国務長官は声明で「追加措置を講じる」と明言した。中国共産党当局者らに対するビザ(査証)発給の制限に続く対抗措置で、トランプ大統領は企業間取引などを念頭に「中国との関係断絶」もほのめかす。  米国が議長国として9月にも開催する先進7カ国首脳会議(G7サミット)では日欧のほか、中国との国境問題が深刻化しているインドなどを交えた国際協調体制も構築したい考えだ。  だが米国の動きに反発を強める中国は米農産品の輸入増加などを盛り込んだ米中貿易協議の第1弾合意の不履行を示唆する。新型コロナウイルス禍で大打撃を受けた米経済の再生を11月の大統領選の再選戦略に据えるトランプ氏にとって合意不履行は大きな痛手だ。  米国内では香港問題を巡ってトランプ政権が同盟国などとの連携を図る姿勢に「共同歩調を取るのは不可欠だ」(シンクタンク、ヘリテージ財団のウォルターズ研究員)と評価する声が上がる。野党民主党の大統領候補指名が確定したバイデン前副大統領も対中姿勢を硬化させており、識者らは米国が党派にかかわらず中国に対して中長期的に圧力を強める方向に進むとの見方で一致する。  ただトランプ氏が就任後「米国第一主義」を推し進めた結果、同盟国とも貿易摩擦を抱えるなど各国に対米不信がくすぶり、協調体制の構築は容易ではない。  共和、民主両政権で対中政策に携わった外交専門家は、トランプ氏がやみくもに強硬論を掲げるばかりで即応性のある政策は見当たらないとして「香港が、民主も自由もない上海のようになるのは避けられない」と悲観的な見方を示した。

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