湯河原温泉初のコロナ倒産 源泉ゆ宿高すぎ、事業停止
神奈川県内では52社目、湯河原温泉のホテル・旅館では初の新型コロナ倒産
合名会社高杉旅館(TDB企業コード:201065829、神奈川県足柄下郡湯河原町宮上535、代表社員高杉雅子氏)は、1月22日までに事業を停止していたことが判明した。 当社は、1928年(昭和3年)創業、35年(昭和10年)2月に法人改組された。JR東海道本線湯河原駅からバスに乗り、「温泉場中央」バス停すぐの場所に立地した、業歴90年超の老舗温泉旅館「源泉ゆ宿高すぎ」を経営していた。近年は、気軽に泊まれる「素泊まり専門湯河原温泉」の温泉宿として知られ、インターネット予約を中心に集客するなど一定の常連客を有し、2019年7月期には年収入高約3700万円を計上していた。 しかし、従前から零細規模の域を出ず、近隣旅館との競合などもあり厳しい業況が続いていた。加えて、収益性も低調で、源泉の使用料も滞納する状況に陥っていた。こうしたなか、2020年に入り、国内で新型コロナウイルスの感染が拡大。地元湯河原の観光客が急減したうえ、同年7月からのGo To キャンペーン開始後も、高級旅館に宿泊客が集中し、低価格帯の当旅館への寄与は限定的なものにとどまっていた。先行き見通しも立たなくなるなか、ここに来て資金繰りが限界に達した。 負債は現在調査中。 なお、湯河原温泉のホテル・旅館では初の「新型コロナウイルス関連倒産」で、神奈川県内では52社目となる。