愛知県芸術劇場が2025年度自主事業のラインアップを発表 アクラム・カーン演出『ジャングル・ブック』ほか、新たな取り組みも
愛知県芸術劇場が2025年度の自主事業ラインアップを発表した。年間を通じて、音楽、オペラ、ダンス、演劇など多岐にわたるジャンルの多彩なプログラムを展開するとともに、若手アーティストの発掘と育成を目指した公募プログラム「AICHI NEXT: Performing Arts Project」の始動をはじめ、さまざまな取り組みを進めていくという。 【全ての写真】愛知県芸術劇場芸術監督(アーティスティックディレクター)の唐津絵理 2024年4月より愛知県芸術劇場芸術監督(アーティスティックディレクター)として数々の公演を手がける唐津絵理は、このラインアップ発表に際し、「愛知県芸術劇場は気軽に足を運べる“県民の広場”でありたい。そしてまた“世界への窓”として、多様な世界への入口でありたいと思っています」とメッセージを寄せた。さらに、「演じる者と観る者が、同じ場所、時間を共有することで、リアルに交流することのできる舞台芸術は、生への実感をリアルに感じることのできる、今だからこそ大切な空間であると考えています」と、劇場、また舞台芸術の存在意義をアピールする。 2025年前半で注目されるのは、ロンドン・オリンピックのオープニングで振付を手がけたアクラム・カーンの演出・振付によるアニメーション×ダンスの公演『ジャングル・ブック』。人間と動物、気候変動、生き物の多様性など、子どもから大人まで世代を超えて感じ取ってもらいたいメッセージの詰まった作品であり、愛知県芸術劇場のこれからを象徴する作品のひとつであるとも。 また新たにスタートする「AICHI NEXT: Performing Arts Project」は、若手アーティストの発掘と育成を目指した公募プログラムで、既存の領域を横断した斬新な作品や新たな発想で取り組むパフォーマンスなどを募集し、上演の機会を創出。さらには、18歳以下無料の公演を増やすとともに、気軽に参加できる無料企画、アクセシビリティを高めるための字幕の導入など、多様な人が劇場に親しむための工夫を行っていくという。 ■唐津絵理愛知県芸術劇場芸術監督「ラインアップ2025に寄せて」全文 4月より愛知県芸術劇場の芸術監督に就任しました唐津絵理です。愛知県芸術劇場は気軽に足を運べる「県民の広場」でありたい。そしてまた「世界への窓」として、多様な世界への入口でありたいと思っています。 現代社会のなかで、インターネットやテクノロジーが発達し、いとも簡単に世界各地とつながることができるように感じられますが、実感をもって自分の身体を感じること、肯定感をもって生を実感できる機会は少なくなっているように感じています。演じる者と観る者が、同じ場所、時間を共有することで、リアルに交流することのできる舞台芸術は、生への実感をリアルに感じることのできる、今だからこそ大切な空間であると考えています。 2025年度前半のプログラムとしてまずご紹介するのは、ダンスとアニメーションが融合した『ジャングル・ブック』です。ウォルト・ディズニーが最後に手がけたとされるこの著名なアニメーションが、子どもから大人まですべての人が楽しむことができる舞台作品になりました。演出・振付を手がけたのは、ロンドン・オリンピックのオープニングで振付を手がけたアクラム・カーンです。エンターテインメントとアートが融合したこの作品は、ひとりでも多くの皆さまに来ていただきたいと考えている愛知県芸術劇場のこれからを象徴する作品のひとつです。 また、新規プログラムとして、若手アーティストの発掘と育成を目指した公募プログラム「AICHI NEXT: Performing Arts Project」をスタートします。既存の領域を横断した斬新な作品や、新たな発想で取り組んでいるパフォーマンスなどを募集、当劇場のサポートにより上演の機会を創出します。 ほかにもたくさんの自主企画を予定していますが、従来からの18歳以下無料の公演を増やすだけでなく、気軽に参加いただける無料企画、アクセシビリティを高めるための字幕の導入など、多様な方にお越しいただける工夫を行ってまいります。 来年度も県民の皆さまの広場となるよう努めてまいります。愛知県芸術劇場へのご来場をお待ちしております。