緻密な修復作業でよみがえるノートルダム大聖堂
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【12月7日 AFP】フランス・パリのノートルダム大聖堂がかつての輝きを取り戻すために、250の企業と数百人もの職人が、5年以上の歳月をかけて再建作業に携わった。 この壮大なプロジェクトで最初に実施されたのは、大規模火災によるがれきを片付け、建物自体を安全なものにすること。 2022年1月には、崩壊した石造りの部分の修復作業を始めることができ、翼廊のアーチは石を一つずつ積み上げて再建された。 2022年秋からは、フランス各地の森林から選び抜かれた2000本の木を使って、オーク材で造られた屋根の骨組みが取り替えられた。 尖塔部分は約1000本の木材で構成されていて、薄い鉛の層で覆われている。19世紀に大聖堂の修復作業に携わったフランス人建築家のウジェーヌ・ビオレルデュクが手掛けたデザインと同じだ。 尖塔の最頂部には新しい黄金の風見鶏の像が設置されていて、その内部には火災を免れた遺物などが収められている。 新たな屋根の骨組みには、火災を消火するための自動散水装置が組み込まれている。また、屋根自体も2組の金属製耐火トラス構造により、三つの空間に分けられている。 大聖堂内部では、パイプオルガンのパイプ8000本が洗浄された他、市松模様の床も張り替えられ、新しい椅子などが設置された。 ステンドグラスや壁に付着した何世紀もの汚れと火災による黒ずみは拭き取られ、24あるチャペルもきれいに清掃された。 ゴシック建築の「宝」は、こうした修復作業により、その荘厳さを取り戻した。(c)AFPBB News