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【鳥栖】赤字20億円でスター去るも“原点”ハードワーク復活…担当記者が読み解く

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スポーツ報知

 4月26日、「鳥栖、2019年度決算で赤字20億円」という衝撃のニュースが伝えられた。経営情報が公開されるようになった2005年以降、最大の赤字額は同年神戸の10億5400万円だった。  大口スポンサーが相次いで撤退。元スペイン代表FWフェルナンドトーレスの獲得などでリーグ6位の約24億円まで膨らんだチーム人件費をまかなう収入が激減した。18年14位、19年15位と、人件費に見合うだけの結果も残せなかった。  しかし、皮肉にも人件費が約12億円削減され、スター不在となった今季の鳥栖のサッカーは面白い。2月の開幕戦では、球際でのバトルや運動量を真骨頂とする伝統の「鳥栖スタイル」が復活した印象を受けた。  鳥栖は平均年齢24・09歳の布陣で川崎に挑んだ。ボールを自陣から丁寧につなぎ、川崎と五分にやり合った。ラスト15分は伝統のスタイルにシフト。粘り強く戦い抜き、敵地で貴重な勝ち点1を奪った(0△0)。  MF松岡大起、MF本田風智の18歳コンビの先発起用には驚いたが、なるほど、いかにも鳥栖の伝統を象徴するような闘争心と走力を兼ね備えた選手だった。後半20分から出場したFW金森健志は、右FW、右MF、右DFを“兼務”するかのように走りまくり、試合後は膝に手をつき、動けなくなっていた。鳥栖といえば「これ」だったな―。記者席で懐かしさを覚えた。  トーレス(昨年現役引退)らスターが増えた、ここ数年間では影を潜めていた姿だった。“ハードワーク集団”として、12年の昇格から少ない人件費で一度の降格もなく、J1で戦ってきた鳥栖本来の戦い方に映った。コロナ禍の活動休止期間には、専門家による栄養指導やメンタルケアも実施。金明輝監督(39)は「戦術理解も高く、チームの状態はかなりいい」と自信を見せる。  コロナ禍による減収で来季決算も厳しい数字が並ぶだろう。さらなる人件費削減を余儀なくされるかもしれない。しかし、現場はやるしかない。窮地に結束を高め、見る者を熱くする闘志あふれた「原点回帰」の戦いで目標の10位以内を狙う。(岡島 智哉)  ◆サガン鳥栖 1997年に佐賀県サッカー協会などの支援を受け、市民クラブとして創部。99年Jリーグ加盟。「サガン」は長い年月をかけて砂粒が砂岩となるように、一人一人が小さな力を結集して立ち向かうことを意味する。地元の方言で「佐賀の」という意味も。本拠地は駅前不動産スタジアム。

報知新聞社

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