【岩橋玄樹】あの時…事務所をやめて、芸能界もやめるつもりでした
ViVi5月号で、「POP STARのカコ・イマ・ミライ」というタイトルで、事務所をやめたあと、ソロでアーティスト活動に復帰するときの心境を、赤裸々に語ってくれた岩橋さん。実は、本誌には掲載しきれなかった発言はまだまだたくさんあり、その中でもっとも彼の心の美しさ、清らかさが感じられたのが、昔の仲間に対する思いだった。ここでは、本誌の内容とともに有料版にて未掲載インタビュー<前編>&未公開ショットをお届けします。 【未公開ショット】仲間に対する思いは、今も美しい…「岩橋玄樹」
<岩橋玄樹>POP STARのカコ・イマ
憑依する人だ。唯一無二の表現者ではあるが、「こんな僕を見て!」という自意識を、彼は持たない。「あ、こういうものを求めているんだな」。そんな空気を瞬時に察知して、そのキャラクターや雰囲気を自分に“降臨”させる。撮影当日も、3パターンの衣装を身につけたのだが、衣装ごとに、それまで見せたことのない表情が、じわじわと顔を覗かせる。「やる」と決めたらとことんまでやる彼だから、どんなに深く潜ることも、どんなに高く飛ぶことも、ファンの人たちが望むことならやらない選択肢はない。儚く、妖しく、どこかもの悲しく、そして何より美しい。そんな憑依型ポップスター・岩橋玄樹の「今だから話せる、“あのとき”の胸のうち」。
思い描く人物像があった3つのカコ
自分の心の奥にまで深く潜ってから、 「ファンを笑顔にするのが僕の使命」と気付いた
カコ❶-事務所をやめて、芸能界もやめるつもりでした 3年前に事務所をやめたときは……、正直なことを言うと、芸能界からもキッパリ引退するつもりだったんです。自分の中で、「もう終わりにしよう」と思い込んで、正直な自分の心の奥のことは覗かないように、気持ちに蓋をしていた。それで、「もう一切芸能活動はしない」と決めて、気持ちを整理するためにアメリカに行って……。そのときに、今のマネージャーとか、友人たちと話をするうちに、「10年以上も必死で向かい合ってきた世界からいきなり身を引くのはどうなんだろう?」って考えるようになりました。 ずっと応援してくれたファンの人たちは、僕にとっては家族みたいな存在だったので、「笑顔でいるかな?」「寂しがっていないかな?」とか。いろんなことが心配になっちゃって(苦笑)。ファンが一人でもいるうちは、その人を笑顔にして、幸せを作っていくことが、唯一の僕にできることなんじゃないかと思ったんです。その1ヵ月は自分の心の奥にまで深く潜って、底に沈んでいた「生きていく理由」とか、「がんばる意味」みたいなものを、探していく期間でした。「ファンを笑顔にするのが僕の使命」と気付いてからは、「また日本に戻って、ファンを幸せにするために、できることは何でもしよう」と、ソロでの活動を始めたんです。