神戸・FW宮代大聖、じれずに耐えて巡ってきたチャンスで決勝弾 ”個人2連覇”もひと味違う優勝の味【サッカー天皇杯】
◇23日 サッカー天皇杯決勝 G大阪0―1神戸(東京・国立競技場) サッカーの第104回天皇杯全日本選手権は23日、東京・国立競技場で71大会ぶりに関西勢同士による決勝が行われ、神戸がG大阪を1―0で破り、5大会ぶり2度目の優勝を飾った。後半19分、神戸は得意のロングボールで崩し、FW宮代大聖(24)がこぼれ球を押し込んで決勝点を挙げた。 値千金の決勝弾で、今季川崎から加入した神戸の宮代が大舞台で主役の座を射止めた。守勢に回った前半は「ガンバも非常にいいサッカーをして前半は苦しんだ。ただ、そこでじれずに戦えたことが良かった」と言葉にする。 反撃の時を待ち、じれずに耐えた先でチャンスは巡ってきた。後半19分、ロングボールのこぼれ球を前線で大迫が収め、武藤が素早く反応。パスを引き出して左足でシュートを放った。相手DFがはじいたボールは、ペナルティーエリア内に詰めていた宮代の前にこぼれた。 「最初はクロスを受けようと思っていたけど、観客の声もあってなかなか届かなかった。あそこで受けようとしたことが結果的に良かった」 しっかりと右足で押し込み、ゴールネットを揺らした。このリードを最後まで守り切り、試合終了の長い笛が鳴った。それをベンチで聞いた。昨季は古巣の川崎で天皇杯を制し”個人2連覇”となった。だが、優勝の味は1年前とはひと味違ったという。 「もう一回タイトル取りたいという思いはあったので、また違った気持ちで決勝を迎えた。経験は大事だけど、いざピッチに立てば関係ない。どれだけあのピッチを楽しめるかが大事だとあらためて思った」 悦に入ったのも一瞬だった。リーグ戦は連覇に向け大詰めを迎えている。宮代は口元を緩めることなく「まだ終わっていない」と、かぶとの緒を締め直した。
中日スポーツ