【相談事例】社会人2年目で資産形成をスタート。まず考えておきたいこととは?
社会人として1年が経つと、少し余裕を感じることができる方もいるでしょう。仕事の進め方や社内での人間関係などにも慣れ、将来の目標も具体化し始めるのではないでしょうか。 その中でお金のこと、資産形成についても無関心ではいられなくなるかもしれません。今回はNくんの事例に沿ってみてみましょう。
N君の事例:最近気になるお金のこと
N君は社会人2年目の会社員です。就職で上京し、今は学生時代の友人と都内のシェアハウスに住んでいます。希望の会社に就職できたこともあり、充実した毎日を送っています。 学生時代から不動産に興味を持っていたこともあり、在学中に取得した宅建免許が仕事に役立っていると感じているので、さらに仕事に役立つほかの資格取得に向けて勉強をしています。 このように充実した毎日を送る中で、気になり始めたのがお金に関することです。周りでもiDeCoやつみたてNISAの話を聞くようになりました。「どちらから始めたらよいのか分からない」といった疑問を持っています。そこで2つの違いを簡単に整理した表が図表1です。
図表1 税金面のお得感を考えるとiDeCoが有利ですが、原則60歳まで引き出せないことには注意が必要です。iDeCoに、は老後資金を作るというはっきりとした目的があります。60歳までには長い期間がありますので、複利効果も期待できます。 必要なときに出金が可能なつみたてNISAと併用することがお勧めです。
N君の事例:値下がりが怖いので始められない
N君に会ったとき、彼がビジネスバッグから取り出したのは、金融機関から取り寄せたiDeCoの申し込み書でした。聞けば、この2週間どうしようかと悩んでいるというのです。 理由を尋ねたら、つみたてNISAをしている友人から最近の株価の下落で落ち込んでいる話を聞いて、慣れない投資をしても大丈夫なのかと躊躇しているそうです。 確かに積立貯金と違い、値動きのある商品と始めて向き合うのには勇気がいるかもしれません。皆さんも「リスクを軽減するためには、分散投資が有効」という説明を、金融機関のサイト等で見たことがあるかもしれません。 iDeCoやつみたてNISAの仕組みは、この分散投資にのっとっています。少額で長期間にわたり積み立てを続けることが自動的にできる制度です。 また、ドルコスト平均法について知ってほしいとお話ししました。株価が下がったときはネガティブ思考になってしまいがちです。「先月に比べて積み立てているのにも関わらず、残高が減ってしまった」となると、とても残念な気持ちになります。 しかし一方で、「同じ積立金額で先月に比べて多くの口数が買える」つまり、安く買うことができる“買い時”なのです。